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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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波と石、どちらが本当の世界なのか?──オブジェクト指向存在論が問い直す「連続」と「離散」
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Graham Harman and Omari Edwards "On the ultimate nature of reality" (Institute of Art and Ideas, 2025年11月6日) 概要: 南カリフォルニア建築大学の哲学教授であるグラハム・ハーマンへのインタビュー。新著『Waves and Stones』を通じて、連続と離散という哲学的対立、オブジェクト指向存在論の基本的な考え方、科学と哲学の役割分担、量子力学と一般相対性理論の不整合、文明論などについて語られている。 私たちは世界を理解するとき、自然とどちらかの見方に偏ってしまいます。すべては繋がった流れだと感じるときもあれば、バラバラの個別のものたちの集まりだと感じるときもある。グラハム・ハーマンが新著『Waves and Stones』で取り組んだのは、まさにこの根本的な問いです。現代哲学の重要人物として知られる彼は、「連続」と「離散」のどちらかに還元しようとする試みを退け、両方がそれぞれの仕方で本物だと

Seo Seungchul
1 分前読了時間: 17分


選挙戦を変えたのは、スペイン語の動画と小さな店のネットワーク──ニューヨーク市長選の舞台裏」
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: " ¿Quién es Amanda Séptimo, la dominicana detrás de la campaña del nuevo alcalde electo de Nueva York? " (Diario Libre USA, 2025年11月5日) 概要: ニューヨーク市長選挙で民主社会主義者ゾーラン・マムダニ氏の当選を支えたドミニカ系州議会議員アマンダ・セプティモ氏の戦略的役割について報じた記事。スペイン語による直接的なコミュニケーション戦略と、小規模食料品店ネットワークとの連携が勝利の鍵となったことを伝えている。 ニューヨーク市長選挙。世界で最も多様性に富んだ都市のトップを決める戦いは、いつも予想外の展開を見せます。2025年11月、民主社会主義者のゾーラン・マムダニ氏が当選を果たしたとき、多くの人が驚きました。社会主義を掲げる候補者が、移民コミュニティや小規模ビジネスオーナーたちの支持を集めたのです。 その舞台裏にいたのが、ブロンクス選出の州議会議員、アマンダ・セプテ

Seo Seungchul
14 分前読了時間: 15分


地球が「片側だけ暗くなっている」──人類が招いた半球間バランスの崩壊
シリーズ: 論文渉猟 ◆今回の論文: Norman G. Loeb et al. "Emerging hemispheric asymmetry" (Proceedings of National Academy of Sciences of the United States of America, 2025年9月29日) 概要: NASAのCERES(Clouds and the Earth's Radiant Energy System)による24年間の衛星観測データを分析し、地球の北半球と南半球における吸収太陽放射の非対称性が増大していることを発見。北半球は10年あたり0.34±0.23 Wm⁻²の速さで南半球よりも多くの太陽エネルギーを吸収しており、この変化はエアロゾルと放射の相互作用、地表アルベドの変化、水蒸気の増加によって説明される。この発見は、雲が強制的な半球間非対称性を自然に補正するという従来の仮説に疑問を投げかけている。 50年来の常識が、今、揺らいでいる。地球の北半球と南半球は、ほぼ同じ量の太陽光を反射してきた。陸地と海の

Seo Seungchul
36 分前読了時間: 20分


生き延びるための脳、真実を探すための脳──進化が仕組んだ「嘘」の効用
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Samuel McKee "Our brains evolved to survive, not to find truth" (Institute of Art and Ideas, 2025年11月4日) 概要: 進化論と認識論の交差点から、人間の脳が真実追求ではなく生存のために最適化されてきたこと、そして偽りの信念が社会的結束と意味創出において果たす役割について考察した哲学エッセイ 私たちは理性を通じて真実に到達できると信じています。科学哲学者カール・ポパーは「反証可能性」という基準で科学と非科学を区別し、私たちに真偽を見極める強力な道具を与えてくれました。けれども、ここに厄介な問題があります。私たちの脳は、真実を求めるために進化したのではなく、生き残るために進化したのだということです。 ダーウィン自身が危惧したように、下等な動物から進化した脳の判断をどこまで信頼できるのか。進化は真実への最適化ではなく、社会的結束への最適化を優先してきました。偽りの信念は進化の失敗ではなく、むしろ生存戦略

Seo Seungchul
4 日前読了時間: 14分
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