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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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錨のある推論と錨のない合意――集合知が真理につながらないとき
シリーズ: 論文渉猟 ◆今回の論文:Tadahiro Taniguchi et al., "Collective predictive coding as model of science: formalizing scientific activities towards generative science" (Royal Society Open Science, 2025年6月4日) 概要:科学という共同作業を、部分的な観測しか持たない多数の科学者が、論文執筆と査読という通信を通じて、共有された科学知識を分散的にベイズ推論していく過程として定式化する枠組み(集合的予測符号化=collective predictive coding)を提案した論文。社会的客観性、科学的進歩、パラダイム転換、そしてAIの参入までを、一つの確率的な生成モデルの上で論じている。 一人の科学者が見ている世界は、全体のごく一部にすぎない。手元のデータは偏り、解釈には癖がある。にもかかわらず、論文を書き、互いに査読し合うという地味なやりとりの積み重ねが、誰の頭の中にも

Seo Seungchul
7 時間前読了時間: 13分


教皇レオ十四世のAI回勅を読む ──AI統治をめぐる正統性の空白
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Isabella Piro, “Pope Leo's ‘Magnifica humanitas’: AI must serve humanity not concentrate power” (Vatican News, 2026年5月25日) David J. Scheffer, “The Pope's Mandate on AI Is a Moral Safeguard for Our Times” (Council on Foreign Relations, 2026年6月4日) 新しい技術には、大きな機会だけでなくリスクもある。AIをめぐる議論の多くは、安全に、公正に、説明可能に、そうやって形容詞を足していけば、いつか「倫理的なAI」になり問題が無くなる、という暗黙の前提の上に立っている。たどり着く。2026年に教皇レオ十四世が発した最初の回勅は、この前提の一段下に手を入れた。より道徳的なAIであっても、その道徳が少数者によって決められているなら十分ではない、と。 問われているのは、もは

Seo Seungchul
1 日前読了時間: 11分


拍手は盾にならない ──国家から離れた民主主義が、躓いた理由
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Daniel Pinchbeck, "Is the Nation State out of Date?" (Substack, 2026年5月24日) 概要:ロジャヴァ/北・東シリア自治行政を、国家主権に依存しない大規模な民主主義の実験として読み解く論考。オジャランの思想的転回とブクチンの社会生態学を源流に、地域コミューンから積み上がる統治、ジェンダー平等の制度化、協同組合中心の経済を描き、2026年初頭の解体に至る経緯を辿る。筆者は、物理的な解体にもかかわらず、この実験は将来の社会組織にとっての制度モデルとして残ると論じる。 ある実験が、軍事的に解体された。十年以上にわたり、中央の国家に依存せずに数百万の人々が暮らしを営んだ地域がある。北・東シリア、通称ロジャヴァだ。住民の集会が日々の暮らしを差配し、すべての公的な役職を男女が分かち合い、協同組合が経済を回した。それが2026年初頭、統合合意によって中央国家の構造へと畳み込まれた。 この出来事を「少数民族の自治の挫折」として記録することはたやすい。

Seo Seungchul
2 日前読了時間: 13分


囲い込まれ所有された集合知――生成AIとリテラシーの再定義
シリーズ: 論文渉猟 ◆今回の論文:Mary Kalantzis et al., "Literacy in the Time of Artificial Intelligence" (Reading Research Quarterly, 2024年11月23日) 概要:生成AIを「書く機械」として位置づけ、印刷機の発明に匹敵する転換と見なしたうえで、AI時代にリテラシーの定義そのものを作り直すべきだと論じる。読み書きを「意味生成への参加」として捉え直し、人間と機械がフィードバック関係を結ぶ「サイバー・ソーシャル・リテラシー学習」を提案する。 機械が文章を書く。たいていの人間より速く、誤りもなく。これは便利な事務処理の自動化なのか、それとも、もっと深いところで何かが反転した事件なのか。 メアリー・カランツィスとビル・コープの論文は、後者だと言い切る。生成AIは作文の道具ではない。文字による意味の生産を機械化した、印刷機に並ぶ歴史的転換である。そして、もしそうなら、私たちが学校で何百年も続けてきた「読み書き」という営みの意味そのものが、根底から問い

Seo Seungchul
3 日前読了時間: 11分
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