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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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知新察来


脳が世界を「発明」している?──意識と現実の関係を揺さぶる科学的発見
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Karl Friston "Reality is a creation of consciousness" (Institute of Art and Ideas, 2025年9月17日) 概要: 世界的神経科学者カール・フリストンへのインタビュー記事。意識は脳による予測の産物であり、私たちは自分の頭の中に閉じ込められているという彼の理論について詳しく語られている。自由エネルギー原理による物理学と心理学の統合、精神疾患の新しい理解なども論じられる。 私たちが見て、聞いて、触れている現実は、実は脳が作り出した「予測」だとしたら?世界で最も影響力のある神経科学者の一人、カール・フリストンが提唱する理論は、私たちの常識を根底から覆します。 私たちは普通、まず外界からの情報を受け取って、それを基に世界を理解していると思っています。しかしフリストンは真逆のプロセスを主張します。脳はまず世界についての予測を立て、その後で感覚情報と照合し、ズレがあれば修正していく—これが意識の正体だというのです。...

Seo Seungchul
5 日前読了時間: 11分


政治システムを変えるのが、本当に答えなの?──ネパールの制度改革論争から見える民主主義の課題
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Ayusha Chalise " Nepal's democracy keeps doubting itself " "Designers join scientists to make living architecture a reality" (Nepal Times, 2025年9月28日) 概要: ネパールのZ世代による政府打倒後、首相の直接選挙制度導入を求める声が高まる中、その是非と民主主義への影響について論じた記事 Z世代の若者たちが汚職政治に怒り、街頭で声を上げました。そして今、ネパールで新たな議論が始まっています。首相を国民が直接選ぶべきか、それとも現在の議会制のままでよいのか。一見すると明快に思える制度変更の議論には、実は複雑な落とし穴が潜んでいます。 今回は、富良野とPhronaがこの問題の奥深さを探ります。政治制度の変更は本当に「答え」になるのでしょうか。それとも、問題の根っこはもっと別のところにあるのでしょうか。スリランカやアメリカの事例、そしてSNSが政治に与える影

Seo Seungchul
5 日前読了時間: 9分


建物そのものが「生きて」いたら?──デザイナーと科学者が挑む未来の住まい
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Carolyn Beans "Designers join scientists to make living architecture a reality" (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 2025年9月17日) 概要: 建築デザイナーと科学者の協働により実現する「生きた建築」の最新動向を紹介。酵母、菌糸体、DNA、細菌を建材に組み込む技術開発と、その美的・実用的可能性について報告している。 私たちの住む建物が、まるで植物のように呼吸し、汚れた空気を浄化し、ひび割れを自分で治すとしたら、どう感じるでしょうか。そんなSF映画のような世界が、実は今、現実のものになりつつあります。 コーネル大学の建築デザイナーが3Dプリンターで作る多孔質なセラミックタイルには、ホルムアルデヒドを吸収する酵母が住んでいます。イギリスの研究者たちは、キノコの菌糸体を編み物に組み込んで、まる

Seo Seungchul
6 日前読了時間: 10分


隠れた高給職の世界──誰も教えてくれない年収1000万円超えの仕事たち
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Jack Kelly "Hidden High-Paying Jobs That People Don't Know About" (Forbes, 2025年4月27日) 概要: 一般的に知られていない高給職業を紹介。石油地質学者、クオンツ、声優、原子力発電所運転員、倫理的ハッカーなど、専門性が高く年収1000万円を超える職業の実態と、これらが隠れている理由を分析。 ソフトウェア開発者の年収約2000万円、投資銀行家の年収約1500万円。こうした数字は多くの人が知っています。でも、石油地質学者が年収1500万円から3000万円、クオンツが年収1500万円から5000万円、声優が年収800万円から4000万円を稼いでいることを知っている人はどれだけいるでしょうか。 私たちの周りには、名前すら聞いたことのない高給職が数多く存在しています。これらの仕事は高度に専門化されているか、特定の業界に閉じていることが多く、一般的な転職市場では見えにくい存在です。原子力発電所の運転員、倫理的ハッカー、最高コン

Seo Seungchul
6 日前読了時間: 12分


音楽が脳を変える──音楽家は痛みを感じにくいという発見
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Vishwam Sankaran "Scientists surprised to find musicians don’t feel pain same way other people do" (The Independent, 2025年9月26日) 概要: デンマーク・オーフス大学の研究チームが、音楽家は非音楽家と比べて痛みに対する脳の反応が異なることを発見。音楽訓練が痛みへの耐性を高める可能性を示唆 楽器を長年練習している人は、痛みを感じにくいかもしれません。そんな驚きの研究結果が、デンマークの研究チームから発表されました。 私たちは誰しも痛みを経験しますが、その感じ方には個人差があります。同じ怪我をしても、ある人はひどく苦しみ、別の人はさほど気にならない。これまでは体質や性格の違いだと考えられてきましたが、実は脳の構造そのものに違いがあるのかもしれません。 今回の研究では、音楽家19人と非音楽家20人に実際に手の痛みを誘発し、脳の反応を詳しく調べました。すると、音楽家の脳は痛みに対し

Seo Seungchul
10月29日読了時間: 6分


実在論のパラドックス──物質主義に隠された科学の限界を探る
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Àlex Gómez-Marín " Materialism is holding science back " (Institute of Art and Ideas, 2025年9月16日) 概要: 哲学者フィリップ・ゴフによる、物質主義が科学の進歩を阻害しているという主張を展開した記事。意識の問題、構造主義の限界、汎心論の可能性について論じている。 私たちは普段、科学と物質主義がセットで機能していると考えています。科学の進歩は物質的な現実を解明することで成り立っており、目に見える物質世界こそが真実だという前提に立っているのではないでしょうか。しかし、もしその前提自体が科学の発展を妨げているとしたら、どうでしょう。 今回ご紹介するのは、哲学者で作家のフィリップ・ゴフが提起した、物質主義と科学の関係性についての議論です。ゴフは意識の研究において「汎心論」という立場で知られており、意識は基本的な物理的性質だと主張しています。彼が投げかけるのは、私たちが当然視している科学観そのものへの根本的な問い

Seo Seungchul
10月29日読了時間: 9分


F1レーサーに学ぶ、不確実性を味方につける経営戦略
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Brendan Gaffey et al. "Winning through the turns: How smart companies can thrive amid uncertainty" (McKinsey Insights, 2025年9月3日) 概要: テクノロジー企業が不確実性の高い環境で成功するための5つの戦略的行動について、F1レースの比喩を用いて分析したマッキンゼーのレポート 雨のレースでは「15台を抜けるチャンス」が生まれる――。この有名なF1チャンピオン、アイルトン・セナの言葉が、現代の企業経営にも深い示唆を与えています。 グローバルな不確実性は1990年代中期と比べて約2倍に増加し、パンデミック、AI革命、地政学的緊張が重なって、経営環境は前例のない複雑さを増しています。しかし、この混沌とした状況は、実は準備の整った企業にとって競合を追い抜く絶好の機会でもあるのです。 今回、マッキンゼーが5人のテクノロジー企業CEOとの対話から導き出した「不確実性の中で成功する5つの

Seo Seungchul
10月28日読了時間: 9分


Z世代の「配当幻想」── 高利回りETFに潜む甘い罠と苦い現実
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Denitsa Tsekova et al. "The New American Hustle: Dividends Over Day Jobs" (Bloomberg Markets, 2025年9月4日) 概要: Z世代投資家による高配当ETFへの大規模な資金流入と、その背景にある労働観の変化、複雑なデリバティブ戦略の問題点を詳細に分析したBloombergの特集記事 何十年も学校に通い、一生働いて、運が良ければ数年楽しんで、そして終わり。これが100年以上にわたってアメリカ人に売られてきた人生設計です。しかし、今の若い世代はこの取引を「詐欺だ」と言い切っています。 2025年7月のある金曜日の午後、マンハタンのミッドタウンに20数名の若い個人投資家が集まりました。彼らが説く道は、給料ではなく配当によって舗装されたもの。「新しいタイプの配当戦略にお金を注ぎ込み、その安定した現金の流れを使って9時5時の生活から逃れよう」というのが彼らの合言葉です。それが長期的にポートフォリオにダメージを与える

Seo Seungchul
10月28日読了時間: 10分


麦わらの海賊旗が現実を変える日──アジアの若者が選んだ抵抗のシンボル
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Anish Ghimire "How a fictional flag fueled real-life revolution" (The Kathmandu Post, 2025年10月28日) 概要: ネパールのZ世代が9月8日の抗議デモで『ワンピース』の海賊旗を掲げ、腐敗反対と透明性を求める運動のシンボルとして使用。この動きはインドネシアから始まり、アジア各国、さらにフランスまで広がっている現象を報告 アニメと現実が交差する瞬間があります。2025年9月、ネパールの街頭で若者たちが掲げたのは、政党の旗でもスローガンでもありませんでした。それは麦わら帽子をかぶったドクロマークの黒い旗——『ワンピース』の海賊旗でした。 この旗がなぜ、腐敗に対する怒りと自由への願いを表す政治的シンボルになったのでしょうか。インドネシアから始まり、ネパール、フランス、フィリピン、タイまで。Z世代の若者たちは、従来の政治的象徴を超えて、ポップカルチャーの中に抵抗の新しい言語を見出しています。 富良野とPhronaの

Seo Seungchul
10月27日読了時間: 10分


司法制度の「いい加減さ」に隠された合理性
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Alvaro Sandroni et al. "Is It a Coin Flip or Is It Justice? It Could Be Both." (Kellogg Insight, 2025年8月1日) 概要: ゲーム理論を用いて司法制度を分析し、裁判官の「恣意的な」判決が実は制度の健全性を示す可能性があることを示した研究について報告する記事。ント文化」の構築方法を解説した記事 朝の裁判では優しく、昼食後は寛大に、夕方は厳しく判決を下す裁判官たち。政治的な偏見で判断したり、些細なことで判決が左右されたりする司法の現実に、私たちは眉をひそめがちです。しかし、最新のゲーム理論研究が示すのは、意外な事実でした。この「いい加減さ」こそが、司法制度が健全に機能している証拠かもしれないというのです。 ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院のアルバロ・サンドロニ教授は、ペンシルベニア大学のレオ・カッツ教授とともに、司法判断の曖昧性を数学的にモデル化しました。その結果、裁判官が「まるでコインを投げて

Seo Seungchul
10月27日読了時間: 9分


企業が社会を変える鍵は「ムーブメント文化」にある──利益と理念を両立させる「中から外へ」の組織づくり
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Brayden King et al. "To Align Purpose and Profit, Company Culture Matters" (Kellogg Insight, 2025年8月20日) 概要: イタリアのエネルギー企業E.ON Italiaの事例を通じて、企業が利益追求と社会的目的を両立させる「ムーブメント文化」の構築方法を解説した記事 企業が社会的な目的を掲げることは珍しくなくなりました。しかし、多くの場合、それは表面的な取り組みにとどまりがちです。本当に社会を変えるためには何が必要なのでしょうか。 ケロッグ経営大学院のブレイデン・キング教授が提唱するのは、企業の「ムーブメント文化」という概念です。これは単なる企業文化とは異なり、社会全体を巻き込んで変化を起こそうとする文化のことです。利益追求と社会的目的を対立させるのではなく、両者を一致させることで、持続可能な成長を実現できるというのです。 イタリアのエネルギー企業E.ON Italiaが展開した「Make Italy

Seo Seungchul
10月17日読了時間: 8分


AIの歴史的文脈──50年の失敗の蓄積の末に見える光と影
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Sergio Rebelo et al. "Take 5: AI’s Past, Present, and Future" (Kellogg Insight, 2025年8月22日) 概要: ケロッグ経営大学院の5名の研究者が、AIの歴史、科学研究への影響、画像生成の課題、雇用への影響、パーソナライズ広告の効果について、それぞれの専門分野から分析した研究成果をまとめた記事 今、毎日のようにAIのニュースが流れてきますが、実はこの技術が私たちの手にするまでに50年もの長い失敗の歴史があったことをご存知でしょうか。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の研究者たちによる最新の調査が、AIの過去・現在・未来について興味深い洞察を与えています。 一見すると華々しい成功に見えるAI革命ですが、その陰には研究分野間の格差、労働市場への不均等な影響、そして私たちが見抜けないほど巧妙になったAI生成コンテンツの問題が潜んでいます。技術の恩恵を受けやすい分野とそうでない分野の違いは何なのか、私たちは新しい働き方

Seo Seungchul
10月17日読了時間: 9分


AIが人間らしくなった時の新しい問題──統計的判断の罠
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Blakeley B. McShane et al. " When AI Thinks Too Much Like a Human" (Kellogg Insight, 2025年8月1日) 概要: ChatGPT、Gemini、Claudeなどの主要AIモデルが、統計的結果の解釈において人間の研究者と同じ認知的誤りを犯すことを実証した研究 私たちがAIに期待するのは、人間を超えた客観性と正確性です。でも、AIが人間らしくなればなるほど、実は人間と同じ認知の偽りにはまってしまう――そんな興味深い研究結果が発表されました。 ケロッグ経営大学院の研究チームが、ChatGPTやGemini、Claudeといった最新のAIモデルを対象に行った実験では、これらのAIが統計的結果を解釈する際に、人間の研究者と全く同じ誤りを犯すことが明らかになりました。特に「統計的有意性」という、科学界で広く使われる指標に対して、AIも人間と同じように機械的で硬直した判断を下してしまうのです。 この発見は、研究、医療、ビジネ

Seo Seungchul
10月12日読了時間: 7分


スーパーの電子プライスタグが「ぼったくり」にならない意外な理由
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Ioannis Stamatopoulos et al. "Surge Pricing in Aisle Five?" (Kellogg Insight, 2025年8月1日) 概要: アメリカの大手スーパーマーケットが電子プライスタグを導入したことで、サージプライシングへの懸念が高まったが、実際の取引データ(5年間、約4億件)を分析した結果、価格の急激な変動は導入前後でほぼ変化がないことが判明。スーパーマーケット業界の構造的特徴とビジネス戦略が、技術的には可能でも実質的にサージプライシングを抑制していることを示した研究。 Uberのサージプライシング(需要に応じた価格変動システム)が話題になって以来、私たちは「価格は需要によって上がるもの」だと感じるようになりました。そんな中、アメリカの大手スーパーが電子プライスタグの導入を発表すると、消費者や政策立案者の間で「スーパーでもサージプライシングが始まるのでは?」という懸念が広がったのです。 しかし、実際にはどうなのでしょうか。ケロッグ経営大学院の

Seo Seungchul
10月12日読了時間: 8分


なぜ外国企業は「技術を渡してでも」新興市場に入りたがるのか?──自動車産業における知識移転の光と影
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Shengmao Cao "How Trade Secrets Fuel the International Auto Industry" (Kellogg Insight, 2025年8月1日) 概要:...

Seo Seungchul
10月11日読了時間: 10分


AIは人間の「母親役」になる?──AI界の巨人が語る未来
シリーズ: 知新察来 ◆今回のレポート: Cristina Criddle "Computer scientist Geoffrey Hinton: ‘AI will make a few people much richer and most people poorer’" (Financial Times, 2025年9月5日) 概要: AIの父と呼ばれるジェフリー・ヒントン氏へのランチインタビュー。AI技術の未来、人間社会への影響、中国との技術競争、そして人類生存の可能性について語る。 AIが人間を超える日は5〜20年以内に来る。そのとき、私たちはどうやって生き延びるのか。深層学習の父と呼ばれるジェフリー・ヒントン氏が、トロントのレストランで語った衝撃的な未来像とは。 ノーベル物理学賞受賞者でもあるヒントン氏は、1980年代からニューラルネットワークの研究を続け、今日のAI革命の礎を築いた人物です。しかし現在の彼は、自分が生み出した技術に深い憂慮を抱いています。「AIは少数の人を大金持ちにし、大多数の人を貧しくする」と断言する彼の警告は、

Seo Seungchul
9月28日読了時間: 10分


AIに統治を任せる前に──ブテリンが提唱する「情報市場」という選択肢
シリーズ: 知新察来 ◆今回のレポート: Yusuf Islam " Buterin Pushes Info Finance to Stop Exploits in AI Governance" (CryptoTale, 2025年9月13日) 概要:...

Seo Seungchul
9月27日読了時間: 12分


DSAの選挙マシンから学ぶ草の根政治の可能性
シリーズ: 知新察来 ◆今回のレポート: Hadas Thier "How DSA Built Zohran Mamdani’s Electoral Machine" (The Nation, 2025年9月12日) 概要: ゾーラン・マムダニのニューヨーク市長選勝利を支えたDSA(民主社会主義者アメリカ)の選挙運動システムについて詳細に分析した記事。5万人のボランティアを動員した草の根選挙活動の仕組みと、その政治的意義を探る。 アメリカ政治の世界で、既存の秩序を打ち破る新しい動きが注目を集めています。今年6月、ニューヨーク市長選の民主党予備選で、これまでほとんど無名だった州議会議員が、政界の実力者を大差で破って勝利しました。その背景にあったのは、民主社会主義者アメリカ(DSA)という市民組織が築き上げた、従来の選挙運動とは全く異なる「草の根選挙マシン」でした。 この勝利は単なる政治的サプライズではありません。50,000人のボランティアが160万軒の家を訪問し、230万回の電話をかけるという、これまでの選挙運動の常識を覆す規模の市民参加が実現

Seo Seungchul
9月27日読了時間: 11分


1匹の女王から2つの種が生まれる──アリの"異種出産"が教える生存戦略
シリーズ: 知新察来 ◆今回のレポート: Ashley Strickland "Ant queen gives birth to two different species" (CNN Science, 2025年9月13日) 概要: フランス・モンペリエ大学の研究チームが、イベリア・ハーベスター・アントの女王が2つの異なる種のアリを産み分ける現象を発見。この「異種出産(xenoparity)」は動物界で初めて観察された新しい繁殖様式。 自然界の常識をひっくり返すような発見が、地中海の小さなアリから見つかりました。イベリア・ハーベスター・アントという種の女王アリが、なんと自分とは異なる種のアリも産み分けているというのです。 普通に考えれば、生き物は自分と同じ種の子どもしか産めないはず。でも、この女王アリは必要に応じて、毛むくじゃらの自分の種のオスと、ツルツルの別種のメスワーカーを使い分けて産んでいます。 この謎めいた繁殖戦略は、単なる生物学的な珍現象ではありません。生存のために他種を「家畜化」し、時には自分のDNAを完全に消去してまで相手種のク

Seo Seungchul
9月26日読了時間: 8分


真夏の暑さが私たちを甘いもの中毒にしている? ──気候変動が変える食生活の意外な真実
シリーズ: 知新察来 ◆今回のレポート: Laura Paddison "Scientists find a surprising reason why people are eating more sugar" (CNN Climate, 2024年9月8日) 概要:...

Seo Seungchul
9月25日読了時間: 7分
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