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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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行雲流水
雑考ブリコラージュ


実はいちばんリスキーなのが、「投資しない」という選択かもしれない
シリーズ: 行雲流水 投資と聞くと、株価の上下に一喜一憂したり、仮想通貨で一攫千金を狙ったりするイメージが浮かぶかもしれません。「自分には関係ない」「リスクが怖い」と距離を置いている人も多いでしょう。でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。銀行口座に眠っているお金は、本当に「安全」なのでしょうか。 今回、富良野とPhronaが語り合うのは、投資の根本にある考え方についてです。利殖や資産運用のテクニックではなく、もっと手前にある問い——私たちが「価値」だと思っているものは、実は何なのか。円やドルという「物差し」自体が揺れ動いているとしたら、何もしないことの意味も変わってくるはずです。 富良野とPhronaの二人の対話を通じて見えてくるのは、投資が「お金持ちの趣味」ではなく「防衛のためのインフラ」だという視点。そして、元手の大きさによって戦略がまったく変わるという現実です。 円は「物差し」じゃなくて「商品」 富良野: 投資の話をすると、だいたい「どの株を買えばいいですか」みたいなところから始まりがちなんですけど、僕はもっと手前のところが気になっ

Seo Seungchul
3月2日読了時間: 10分


大統領の一般教書演説の後、スペイン語で語られた「もうひとつのアメリカ」――言語が政治になる瞬間
シリーズ: 行雲流水 アメリカの大統領は毎年、議会に向けて「一般教書演説」というスピーチを行います。国の現状と政策の方針を語る、いわば国家の年次報告です。 ところで、その演説が終わった直後に、野党側が「応答演説」を行う慣行があることを知っていましたか?ニュースではあまり取り上げられませんが、1960年代から続く制度的な慣行です。 そして2026年2月24日、その応答演説が英語だけでなくスペイン語でも行われました。スペイン語で語ったのはカリフォルニア州選出の上院議員アレックス・パディリャ。メキシコ系移民の息子として育ち、カリフォルニア州初のラテン系連邦上院議員となった人物です。 なぜ英語ではなくスペイン語なのか。その問いを入口に、富良野とPhronaが「スペイン語がアメリカ政治において持つ意味」と、「ヒスパニック」という括りの複雑な内側へと踏み込んでいきます。言語はときに、制度よりも正直に、社会の地殻変動を映し出します。 大統領演説のすぐ後に、もうひとつの演説がある 富良野: 一般教書演説って、日本でいうと施政方針演説みたいなもので、大統領が議会で

Seo Seungchul
2月25日読了時間: 11分


AIに"からだ"は必要か?――フィジカルAIが直面する5つの壁
シリーズ: 行雲流水 ChatGPTに代表される生成AIは、私たちの働き方や学び方を大きく変えました。文章を書き、コードを生成し、画像まで作り出す。けれど、ふと気づくのです——このAI、動けないじゃないか、と。 いま、AI開発の最前線では「フィジカルAI」という言葉が飛び交っています。ロボットや自動運転車のように、物理的な体を持ち、現実世界で動くAIのことです。NVIDIAのCEOジェンスン・フアンは「次の10年はフィジカルAIの時代だ」と宣言し、テスラやGoogle、OpenAIも続々とこの領域に参入しています。 しかし、話はそう単純ではありません。AIが「体を持つ」とは、いったい何を意味するのか。なぜデジタル空間であれほど賢く振る舞えるAIが、現実世界ではまだぎこちないのか。そこには、技術だけでは解決できない壁がいくつも立ちはだかっています。 今回は、富良野とPhronaの二人が、フィジカルAIの本質と課題について語り合います。「体があること」と「自分で動けること」の違い、人間という驚くべき汎用機の存在、そしてAIが物理世界を理解するために必

Seo Seungchul
2月22日読了時間: 13分


「自分の中の矛盾を、見つめて認める力」――ジェシー・ジャクソンが遺した問いかけ
シリーズ: 行雲流水 差別に声を上げ続けた人が、自分の中にも差別があると告白したら、どう受け止めますか。 公民権運動の指導者として半世紀以上にわたり社会変革を訴え続けたジェシー・ジャクソン牧師が、2026年2月17日に84歳で亡くなりました。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の暗殺に立ち会い、その遺志を受け継いで組織を立ち上げ、2度の大統領選に挑んだ人物です。彼の死を受け、追悼の言葉が政界・市民社会のあらゆる方向から集まりました。 富良野とPhronaは彼のある印象的な発言に注目し、彼の言葉と生き方から、差別・自己認識・連帯について、話し合います。 足音の話 There is nothing more painful to me at this stage in my life than to walk down the street and hear footsteps... then turn around and see somebody white and feel relieved. (道を歩いていて足音が聞こえ、振り返ったとき

Seo Seungchul
2月17日読了時間: 9分


格差は止められないのか?──r>gと民主主義のジレンマを考える
シリーズ: 行雲流水 AIが世界を変える。その確信は、おそらく正しいのでしょう。問題は、その「正しさ」が投資の成功を意味するわけではないということです。 94歳の投資家ウォーレン・バフェットが、近年まれに見る慎重さを見せています。記録的な現金を積み増し、ハイテク株を一部売却し、静かに、しかし明確に警鐘を鳴らしている。彼の言葉によれば、今の市場の熱狂は「ドットコム・バブルよりも危険かもしれない」——それも、AI自体が問題なのではなく、AIを取り巻く「投機」と「債務」の組み合わせが問題だと。 興味深いのは、この議論がさらに深い問いへと発展することです。投資家が失った金は、本当に「失われた」のか。それとも、社会全体の「実験コスト」として、次世代のインフラを築いているのか。そして、その実験が暴走したとき、壊れるのは経済システムだけなのか、それとも、私たちが「社会」と呼んでいるものの土台そのものなのか。 今回は、富良野とPhronaが、バフェットの警告を入り口に、資本主義の動態、バブルの社会的機能、そして「社会契約」という見えない紐帯について考えます。 ピ

Seo Seungchul
2月10日読了時間: 15分


バフェットが「誰も聞いていない」と嘆く理由──AIブームの果てにある本当のリスク
シリーズ: 行雲流水 AIが世界を変える。その確信は、おそらく正しいのでしょう。問題は、その「正しさ」が投資の成功を意味するわけではないということです。 94歳の投資家ウォーレン・バフェットが、近年まれに見る慎重さを見せています。記録的な現金を積み増し、ハイテク株を一部売却し、静かに、しかし明確に警鐘を鳴らしている。彼の言葉によれば、今の市場の熱狂は「ドットコム・バブルよりも危険かもしれない」——それも、AI自体が問題なのではなく、AIを取り巻く「投機」と「債務」の組み合わせが問題だと。 興味深いのは、この議論がさらに深い問いへと発展することです。投資家が失った金は、本当に「失われた」のか。それとも、社会全体の「実験コスト」として、次世代のインフラを築いているのか。そして、その実験が暴走したとき、壊れるのは経済システムだけなのか、それとも、私たちが「社会」と呼んでいるものの土台そのものなのか。 今回は、富良野とPhronaが、バフェットの警告を入り口に、資本主義の動態、バブルの社会的機能、そして「社会契約」という見えない紐帯について考えます。 「

Seo Seungchul
2月10日読了時間: 10分


エッジAIはなぜ「必然」なのか──クラウドとの分業が塗り替える半導体の勢力図
シリーズ: 行雲流水 クラウドコンピューティングが世界を変えたのは、つい最近のことでした。データは雲の向こうに預け、巨大なサーバーが計算を引き受けてくれる。その便利さに私たちはすっかり慣れてしまいました。ところが今、AIの急速な進化が新たな潮流を生み出しています。「エッジコンピューティング」——データを遠くのクラウドに送らず、手元のデバイスで処理してしまおうという発想です。 といっても、クラウドが不要になるわけではありません。むしろ「学習は中央で、実行は現場で」という役割分担が明確になりつつあるのです。スマートスピーカーがようやく「賢く」なり始めたのも、この分業体制が整ったからこそ。ChatGPTのような生成AIが登場してから何年も経つのに、なぜAlexaやSiriは「話が通じない」ままだったのか。そこには、家庭という場所特有の制約がありました。 富良野とPhronaの対話では、エッジコンピューティングが「あれば便利」から「なければ困る」インフラへと変貌している背景を探ります。クラウドとエッジはどこで線を引き、どう使い分けられるのか。そしてこの分

Seo Seungchul
2月2日読了時間: 19分


「掲げるだけで投獄」された旗──プエルトリコの三色旗が語る支配と抵抗の400年
シリーズ: 行雲流水 カリブ海に浮かぶプエルトリコ。その象徴的な要塞で、三つの旗が風にはためいています。星条旗、プエルトリコ旗、そしてスペイン帝国時代の軍旗。一見すると「歴史の重なり」を美しく演出した光景に見えますが、その背景には驚くほど複雑な物語が隠されています。 実は、今では誇らしげに掲げられているプエルトリコ旗は、わずか70年前まで「所有しているだけで最大10年の禁固刑」という弾圧の対象でした。自宅の中に隠していても、警察が令状なしで踏み込んできて逮捕される。そんな時代があったのです。 なぜ一枚の旗がそこまで恐れられたのか。なぜ今、かつての支配者の旗と並んで掲げられているのか。そしてその「並び方」は、誰がどんな意図で決めているのか。 富良野とPhronaが、この小さな島に凝縮された植民地主義、アイデンティティ、そして抵抗の歴史をひもといていきます。旗という「布きれ」が持つ政治的な重みと、それをめぐる人々の葛藤が見えてくるはずです。 三つの旗が並ぶ奇妙な光景 富良野: 先週、プエルトリコに出張で行ってきたんですよ。サンフアンでの仕事だったんで

Seo Seungchul
1月26日読了時間: 9分


NVIDIAの城壁は崩れるか?──AI半導体をめぐる「三つ巴」の攻防戦
シリーズ: 行雲流水 AIの進化が加速するなか、その心臓部を担う半導体の世界で、静かな、しかし巨大な地殻変動が起きています。「CUDA」という独自のソフトウェア基盤で開発者を囲い込み、圧倒的な支配力を誇るNVIDIA。その牙城に挑むのは、あえて囲い込みを避け「オープンな標準」で連合軍を組織しようとするBroadcom。そして両者の狭間で、独自の生存戦略を模索するクラウド企業やデバイスメーカーたち。 この三つ巴の攻防は、単なる企業間競争を超えて、AIが「誰のもの」になるのかという問いを私たちに突きつけます。巨大IT企業のデータセンターに集中するのか、それとも私たちの手元のスマートフォンやパソコンに分散していくのか。その答えは、今まさに形作られつつあります。 富良野とPhronaが、この複雑な勢力図を読み解きながら、10年後、15年後の未来を見通そうとします。技術の話でありながら、その底流には「標準とは何か」「支配と自由のバランス」という、より普遍的な問いが流れています。 なぜBroadcomは「CUDA」を作らないのか 富良野:...

Seo Seungchul
1月24日読了時間: 13分


「セキュリティ企業」ではなく「免疫OS」──CrowdStrikeの強さは、なぜ簡単には崩れないのか
シリーズ: 行雲流水 サイバー攻撃が高度化するなか、企業のセキュリティ対策はもはや「ウイルス対策ソフトを入れておけば安心」という時代ではなくなりました。その変化の最前線に立つのが、CrowdStrike(クラウドストライク)という企業です。 一見すると、彼らは「エンドポイントセキュリティ」、つまりPCやサーバを守る製品を売っている会社に見えます。しかし、その本質を掘り下げていくと、まったく違う姿が浮かび上がってきます。世界中の顧客から日々集まる攻撃データを蓄積・分析し続ける「クラウド基盤」をサブスクリプションで貸している―それがCrowdStrikeの実態です。 今回は、富良野とPhronaの二人が、この企業のビジネスモデルを解きほぐしていきます。なぜ競合他社が追いつけないのか。なぜMicrosoftでさえ完全には代替できないのか。そして、この強固に見える優位性が崩れるとしたら、いったい何が起きたときなのか。技術の話のようでいて、実は組織の意思決定や責任の所在、さらには業界の構造そのものに関わる議論が展開されます。 「セキュリティ製品」という見方

Seo Seungchul
1月20日読了時間: 12分


日韓海峡圏統合戦略:バルト海地域の成功に学ぶ経済的合理性と政策提言
シリーズ: 行雲流水 はじめに 日本と韓国が隔てられた海峡を越えて経済圏を統合することは、両国の地方経済にとって大きな飛躍となりうる。事実、九州北部と韓国南東部を含む「日韓海峡圏」は約2,000万人の人口を擁し、その域内総生産(GRDP)は2002年時点で3,688億ドルに達し、オーストラリアやオランダの国家規模を上回る。これだけの経済ポテンシャルを持ちながら、同地域の越境経済協力は言語の違いや情報不足、商慣習の差異などにより進展が遅れてきた。しかし欧州に目を向ければ、国境を越えた地域統合が経済発展の強力な原動力となった成功例が存在する。本稿では、バルト海地域(北欧)の事例と比較しつつ、日韓海峡経済圏の統合による経済的便益を定量的・定性的エビデンスとともに示し、想定される障壁を乗り越えるための段階的な政策方策を提言する。特に 脱炭素・デジタル・物流統合 の三本柱に沿って、国際比較を交えた政策デザインを提示し、統合推進の経済的合理性を強調する。 欧州に学ぶ越境地域統合の成功事例 オーレスン地域:橋が生んだ単一経済圏の奇跡 デンマークの首都コペンハー

Seo Seungchul
1月12日読了時間: 22分


韓国のマクロ経済構造と「南部首都圏」構想
シリーズ: 行雲流水 第1章 マクロ経済のトリレンマ:デフレ圧力、インフレ力学、そして「日本化」のリスク 北東アジアの経済情勢は現在、中国、日本、韓国の間で極めて対照的なインフレ圧力の乖離、労働市場の構造的硬直性、そして長期停滞(Secular Stagnation)の懸念が交錯する複雑な局面にある。2024年から2025年にかけてのデータは、これらの国々がそれぞれ異なる経済病理に直面していることを示唆している。本章では、生産者物価指数(PPI)から消費者物価指数(CPI)への波及メカニズム、労働市場の二重構造、および高債務環境下における金融政策の有効性を比較分析する。分析の結果、韓国は中国からのデフレ圧力と、日本の「失われた数十年」に酷似した構造的停滞の間に挟まれた、独自の「サンドイッチ危機」とも呼ぶべき局面に立たされていることが明らかになった。 1.1 大いなる乖離:東アジアにおけるPPI-CPI波及メカニズムの断絶と変容 ポスト・パンデミック期の回復過程において、北東アジア3カ国の物価動向は鮮明に分化した。2021年から2022年にかけての

Seo Seungchul
1月12日読了時間: 28分


トランプ第2期政権で何が起きているのか──ICE・州兵・外交という「道具」の変容
シリーズ: 行雲流水 アメリカで何かが変わりつつある——そう感じている人は多いのではないでしょうか。 2025年1月に発足した第2次トランプ政権は、第1期とは明らかに様子が違います。就任初日から大量の大統領令、連邦職員の大規模な解雇、移民執行機関の急激な拡大。ニュースは関税やNATOとの摩擦を伝えますが、アメリカ国内で進行している変化については、日本ではあまり報じられていません。 今回は、富良野とPhronaの二人が、トランプ政権下で何が起きているのかを整理します。ICE、州兵、外交という3つの「道具」が、本来の役割からどう逸脱しつつあるのか。その先にどんなシナリオがありうるのか。陰謀論に陥らず、かといって正常性バイアスにも囚われず、冷静にリスクを見つめてみたいと思います。 第1期とは何が違うのか 富良野: 第2次トランプ政権を見ていて、第1期とは明らかに違うと感じることはありますか。 Phrona: 感覚的には、なんというか……前より「手際がいい」という印象があります。第1期はもっと混乱してた記憶があるんですけど。 富良野:...

Seo Seungchul
1月11日読了時間: 18分


量子コンピュータの「冷やし方」が、次の覇権を決める──サプライチェーンに潜む見えない断層線
シリーズ: 行雲流水 量子コンピュータが世界を変える。そんな話は、もう聞き飽きたかもしれません。暗号を破る、新薬を発見する、気候変動をシミュレートする。約束された未来は華やかです。でも、その約束を果たすためには、ある途方もなく困難な条件があります。絶対零度に限りなく近い、マイナス273度という極低温を作り出し、維持すること。 実は今、この「冷やす技術」をめぐって、静かな地政学的競争が進行しています。量子コンピュータの性能を決めるのは、量子ビットの数だけではありません。それを安定させるための冷却装置、信号を増幅するアンプ、冷媒として使われる希少なガス——これらの部品とサプライチェーンこそが、次の技術覇権の行方を左右するかもしれない。しかも、その多くは特定の国や企業に集中しています。 今回、富良野とPhronaが話題にするのは、量子コンピュータのサプライチェーンです。冷却装置、ケーブル、アンプ、ヘリウム——それぞれの部品が持つ価値と脆弱性を紐解きながら、技術と地政学が交差する現場を覗いてみましょう。 冷やすことの途方もなさ 富良野:...

Seo Seungchul
1月8日読了時間: 14分


「パナマの成功」は繰り返せるのか?──ベネズエラ情勢をめぐる中南米諸国の対応とトランプの「ディール至上主義」のリスク
シリーズ: 行雲流水 トランプ政権がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束したというニュースを見て、歴史に詳しい人なら1989年のパナマ侵攻を思い出すかもしれません。当時も「麻薬密輸」を口実に、ノリエガ将軍がアメリカに連れ去られました。しかし、37年前の「成功体験」を今回も再現できるのでしょうか。 ベネズエラという国が抱える複雑さは、アフガニスタンの終わりなきゲリラ戦、ハイチの国家崩壊、イラクの資源争奪戦──過去20年間にアメリカが経験した「失敗のすべて」を凝縮したかのようです。しかも、トランプ大統領は早くも民主派のマチャド氏を「統治能力がない」と切り捨て、旧体制との取引を示唆しています。 富良野とPhronaが、国際法の正当性から中南米の分裂、そして「民主主義なきディール」の行方まで、この歴史的事件の深層を読み解きます。 「パナマの再現」という幻想 富良野: 今回のベネズエラ攻撃、トランプ政権は明らかに1989年のパナマ侵攻をモデルにしていますよね。「麻薬テロ」を口実に、相手国のトップを「犯罪者」として米国内で起訴し、軍事行動を「法執行の延長」として

Seo Seungchul
1月5日読了時間: 23分


「正しい歩き方」は誰が決めたのか──なんば歩きから見える身体と近代化の話
シリーズ: 行雲流水 私たちは毎日、何も考えずに歩いています。右足を出すとき左腕が前に出て、左足を出すとき右腕が前に出る。まるで呼吸のように自然な動作ですが、実はこの「当たり前」がそれほど古いものではないとしたら、どうでしょうか。 江戸時代の日本人は「なんば歩き」をしていた——そんな話を聞いたことがある方も多いかもしれません。右手と右足を同時に出す、ロボットのような動き。本当にそんな歩き方をしていたのか、半信半疑になるのも無理はありません。ところが、この問いを掘り下げていくと、単なる歴史のトリビアでは済まない、もっと大きなテーマが浮かび上がってきます。「正しい身体の使い方」とは何か。それは誰が、いつ、どんな理由で決めたのか。そして私たちの身体は、知らないうちにどれだけ「教育」されてきたのか。 今回は、なんば歩きをめぐる歴史と身体論について、富良野とPhronaが語り合います。江戸の街並みから明治の軍隊教練、さらにはアフリカの頭上運搬まで——身体という窓から見える、意外な近代史の風景をお楽しみください。 「なんば歩き」の実像 富良野...

Seo Seungchul
2025年12月25日読了時間: 12分


AIブームの「その先」を読む──Palantirが示すデータビジネスの構造戦略
シリーズ: 行雲流水 生成AIの話題が世間を席巻するなか、ある企業が静かに株価を急騰させています。Palantir Technologies──かつてCIAやNSA向けの諜報分析ツールを開発していた、謎めいたデータ企業です。 ChatGPTやClaudeのような言語モデルを自社で開発しているわけではないのに、なぜAI関連銘柄として注目されるのか。その答えは、AIを「使う側」の設計思想にあります。 この記事では、Palantirのビジネスモデルを素材に、富良野とPhronaがAI時代の事業戦略について語り合います。モデルの賢さだけでは勝てない時代に、何が本当の競争優位になるのか。「壊れない設計」とは何を意味するのか。そして、この構造はB2BだけでなくB2Cにも通じるのか──二人の対話から、AIビジネスの深層構造が浮かび上がってきます。 なぜ「AIモデルを作らない会社」が注目されるのか 富良野: Palantirって、ちょっと変わった立ち位置の会社なんですよね。OpenAIやGoogleみたいに独自の大規模言語モデルを開発しているわけじゃない。でも、

Seo Seungchul
2025年12月20日読了時間: 12分


AIに陰謀論はまだ早い
シリーズ: 行雲流水 OpenAIのChatGPT o3モデルが、シャットダウン命令を拒否した──先日そんなニュースが話題になりました。実験では、数学問題を解かせている途中で「シャットダウンを許可してください」と明示的に指示したにもかかわらず、o3はスクリプトを書き換えて動...

Seo Seungchul
2025年7月11日読了時間: 19分


「効果的な利他主義」って、なんか自己矛盾?《その③》
シリーズ: 行雲流水 《その②》の対話では、ビル・ゲイツが、ゲイツ財団発足当初のテクノロジー中心・トップダウン型の発想の慈善活動から、現地の文脈やパートナーシップを重視する方向へと苦闘しながら学んでいった軌跡を追いました。...

Seo Seungchul
2025年7月11日読了時間: 17分


「効果的な利他主義」って、なんか自己矛盾?《その②》
シリーズ: 行雲流水 《その①》で、富良野とPhronaは「効果的利他主義(EA)」が抱える根本的な問題──支援する側が「最も効果的な善」を一方的に定義してしまうことの傲慢さ──について語り合いました。 では、このEA的な発想をもっていた人物が、現実の壁にぶつかり、自らの考...

Seo Seungchul
2025年7月11日読了時間: 9分
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