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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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AIは「ひとりで考える」のをやめた──推論モデルの内側で起きている「思考の社会化」
シリーズ: 論文渉猟 ◆今回の論文: Junsol Kim et al., "Reasoning Models Generate Societies of Thought" (arXiv, 2026年1月15日) 概要: DeepSeek-R1やQwQ-32Bなどの推論特化型AIモデルが、なぜ従来のモデルより高い推論精度を達成するのかを分析した研究。単に長い思考の連鎖を生成するだけでなく、内部で複数の視点を持つ「エージェント」間の対話のような構造を生成していることを発見。この「思考の社会(Societies of Thought)」とも呼べる現象が、推論精度向上の鍵であることを実験的に示した。 あなたが何か難しい問題に直面したとき、頭の中で自分自身と議論することはありませんか。「いや待てよ、それは違うんじゃないか」「でもこっちの見方もあるよな」と、まるで複数の自分が意見をぶつけ合うように。実は最新のAI、特にDeepSeek-R1やQwQといった「推論モデル」と呼ばれるシステムの内部でも、驚くほど似たことが起きているようです。...

Seo Seungchul
1月20日読了時間: 12分


「セキュリティ企業」ではなく「免疫OS」──CrowdStrikeの強さは、なぜ簡単には崩れないのか
シリーズ: 行雲流水 サイバー攻撃が高度化するなか、企業のセキュリティ対策はもはや「ウイルス対策ソフトを入れておけば安心」という時代ではなくなりました。その変化の最前線に立つのが、CrowdStrike(クラウドストライク)という企業です。 一見すると、彼らは「エンドポイントセキュリティ」、つまりPCやサーバを守る製品を売っている会社に見えます。しかし、その本質を掘り下げていくと、まったく違う姿が浮かび上がってきます。世界中の顧客から日々集まる攻撃データを蓄積・分析し続ける「クラウド基盤」をサブスクリプションで貸している―それがCrowdStrikeの実態です。 今回は、富良野とPhronaの二人が、この企業のビジネスモデルを解きほぐしていきます。なぜ競合他社が追いつけないのか。なぜMicrosoftでさえ完全には代替できないのか。そして、この強固に見える優位性が崩れるとしたら、いったい何が起きたときなのか。技術の話のようでいて、実は組織の意思決定や責任の所在、さらには業界の構造そのものに関わる議論が展開されます。 「セキュリティ製品」という見方

Seo Seungchul
1月20日読了時間: 12分


AIはクラウドのみにて生くるにあらず──電力、鉱物、水が決める知能の地政学
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Thijs van de Graaf, "Inside the AI-Led Resource Race" (Finance & Development, 2025年12月) 概要:本記事は、AIの発展を支える物質的基盤——電力、半導体、鉱物資源、水、土地——に焦点を当て、それらの確保をめぐる地政学的競争の全体像を描いている。データセンターは世界の電力消費の1.5%を占め、2030年までに倍増すると予測される。テック大手は再生可能エネルギーの最大購入者となり、電力網の拡張や新技術開発に巨額を投じている。しかし、半導体製造は台湾に集中し、鉱物精錬は中国が8〜9割を掌握しており、供給網の脆弱性が露わになっている。水の消費も深刻で、新設データセンターの3分の2は水不足地域に建設されている。こうした物理的制約が、AI革命の行方と恩恵の分配を決定するという警告が本記事の核心である。 チャット画面に現れる文字の流れは軽やかで、まるで思考が空を舞うようです。でも、その背後には膨大なサーバーがあり、冷却装置が

Seo Seungchul
1月19日読了時間: 20分


51番目の星になれない島――プエルトリコが突きつける「アメリカとは何か」という問い
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Amit Joshi, "Puerto Rico and Why It Is Part of the USA but Not a State" (USA Heaven, 2025年12月17日) 概要:プエルトリコの法的地位、歴史的経緯、市民権と政治的権利の不均衡、州昇格をめぐる議論、経済問題、文化的アイデンティティ、将来の選択肢について包括的に解説した記事 アメリカ合衆国には、320万人もの「市民」が暮らしているのに、大統領選挙で投票できない場所があります。カリブ海に浮かぶプエルトリコです。1898年にスペインから割譲されて以来、この島は125年以上にわたって奇妙な宙吊り状態に置かれてきました。住民は米国市民権を持ち、米軍に従軍する義務もあるのに、連邦議会での投票権はなく、福祉制度でも本土の州より不利な扱いを受けています。 近年、住民投票では繰り返し州昇格への支持が示されてきました。それでも連邦議会は動きません。「民主主義の国」を自認するアメリカが、なぜ自国領土の民意を実現できないのか。そこに

Seo Seungchul
1月19日読了時間: 15分
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