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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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AI時代に「責任」はどう変容するか──判断する能力と責任を負う立場がずれていく構造
シリーズ: 行雲流水 AIが出した結論に、人間が画面上でボタンを押す。その一押しが、後になって「人間が最終的に確認した」という説明の根拠に使われることがある。だが、その一押しは、法的責任を成立させるに足る行為だったのか。ここには、AI時代の責任論の全体が凝縮されている。 確認という行為の内側 与信審査や保険の査定など、AIが結論を出し、担当者がそれを画面上で確認して進める仕組みは、すでに広く使われている。問題が起きたとき、この確認は「人間が最終的に判断した」という説明として持ち出される。だが、一日に数百件を数秒単位で処理する担当者に、独立した検証の時間はない。拒否すれば業務が滞り、評価が下がる。この構造のもとで、人間は意思決定者ではなく、責任を帰属させるための場所になる。 人間が意思決定の過程に存在することと、実際に意思決定していることは、同じではない。この区別は当たり前に見えるが、AIが絡んだ途端に見えにくくなる。安全のために置かれたはずの人間の確認が、免責のための手続きへとすり替わる余地が生まれるからだ。 確認という行為が法的な意味での判断と

Seo Seungchul
8月2日読了時間: 8分


「固有知能」は、失敗を早く出せる組織で育つ──失敗と学習という資産の複利効果
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Sarah Elk et al., "Proprietary Intelligence: How to Win with AI" (Bain Insights, 2026年6月25日) 概要: AI変革に成功する企業と苦戦する企業を分けるのは、モデルの性能ではなく、自社固有のデータ・業務フロー・学習アーキテクチャを組み合わせて競合が模倣できない「固有知能(Proprietary Intelligence)」を構築できるかどうかだ、と論じる記事。Ramp、Bradesco、Adeccoの事例を通じて、姿勢・領域集中・データ・技術アーキテクチャ・オペレーティングモデル・学習システム・ガバナンスという7つの意思決定を提示している。 CEOの8割が、自社のAI変革の遅さに不満を持っている。Bain & Companyの最新調査はそう伝える。奇妙なのは、そこから先だ。技術が遅いのではない。多くの企業が、変革だと思って進めているものが、実はポートフォリオ管理にすぎない。両者はよく似ているが、まったく別のものだ。

Seo Seungchul
8月2日読了時間: 11分


恣意的なアルゴリズムに振り回される情報環境──可視性の配分と公共圏
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Rob Mitchum, "Can We Take the Doom Out of Scrolling?" (Kellogg Insight, 2026年5月27日) 概要: エンゲージメント重視型のアルゴリズムがSNS上の分断・敵意を増幅しているのではないかという仮説を、Bluesky上での実地実験で検証した研究。2024年米大統領選挙の前後8週間、2000人の参加者を異なるフィード条件に割り当て、通常のエンゲージメント型フィードと、極端なユーザーの過剰な影響力を抑える新アルゴリズムを比較した。 SNSを開くたびに、少し疲れる。政治の話でなくても、映画の感想ですら誰かが誰かを叩いている。世の中は、思っていたよりずっと殺伐としている。そう感じたことのある人は少なくないはずだ。 だが、この感覚は正確なのか。社会そのものがそうなったのか、それとも、社会をそう見せている何かがあるのか。この問いに実験的な答えを出そうとした研究がある。 実験室ではなく、実際のSNSで検証された Blueskyという場所を選ん

Seo Seungchul
8月2日読了時間: 13分


FATFのDeFi報告書が示す規制の宛先──コードの外に残る人と組織
シリーズ: 論文渉猟 ◆今回のレポート:"Targeted Report on Regulatory Challenges from Decentralised Finance (DeFi)" (Financial Action Task Force, 2026年7月21日) 概要:DeFiに伴うマネーロンダリング、テロ資金供与、拡散金融のリスクを整理し、既存のFATF基準の適用範囲、支配者や強い影響力を持つ者の判定材料、各国当局と民間事業者に求める対応をまとめた報告書。 DeFiの規制を調べていて、私は一つの違和感を持った。議論の多くが「分散型なら誰を規制するのか」という問いから始まる。ところが現実のDeFiには、コードを書き換える鍵があり、資金を配る財団があり、投票を動かす大口保有者がいる。利用者が触れるウェブアプリは、普通の会社が運営していることも珍しくない。 「誰もいない」のではない。金融サービスを一社で動かしていた時代には一か所にまとまっていた権限が、コード、鍵、トークン、資金、利用画面へ分かれている。 2026年7月にFATFが公表し

Seo Seungchul
8月1日読了時間: 14分
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