top of page
Convisage
本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
検索
All Posts


AIが司法試験に「本当に」受かるとき――自己検証という発明
シリーズ: 論文渉猟 ◆今回の論文: Andrew Shin, "Self-Verification is All You Need To Pass The Japanese Bar Examination" (arXiv, 2026年1月6日) 概要: 大規模言語モデル(LLM)に日本の司法試験短答式を解かせる研究。既存の手法では問題を真偽判定に分解して学習させていたが、本研究では試験の元の形式と採点基準を忠実に再現したデータセットを構築。「自己検証」機能を組み込んだファインチューニングにより、2024年度試験で合格点(93点)を上回る96点を達成。複数エージェントを協調させる方式より、単一モデル+自己検証の組み合わせが高い性能を示した。 「AIが司法試験に合格した」というニュースを聞くたびに、少し引っかかることがあります。それは「本当に同じ条件で受けたのか?」という素朴な疑問です。多くの研究では、問題を分解したり、採点方式を変えたり、何らかの形で「試験の側を変えて」成果を出してきました。 今回ご紹介する研究は、その常識を覆すものです。慶應義

Seo Seungchul
1月16日読了時間: 11分


精子の起源を600万年さかのぼる――生命史が揺さぶる「性」の常識
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Christa Lesté-Lasserre, "Sperm's evolutionary origins go back before multicellular animals" (New Scientist, 2025年11月24日) 概要: オーストラリアの研究チームが、精子の進化的起源が多細胞動物の誕生以前にさかのぼることを発見。単細胞藻類の遺伝子解析により、精子形成に関わる遺伝子が約6億年前から存在していたことが判明した。 単細胞生物の中に、すでに精子の原型が眠っていた。オーストラリアの研究チームが古代藻類の遺伝子解析から明らかにしたこの発見は、生殖という営みの始まりを大きく書き換えるものです。私たちがイメージする精子は、動物の世界に固有の発明品だと思われてきました。でも実際には、多細胞生物が誕生するはるか以前、地球がまだ単細胞の海だった時代に、性の基本装置はすでに準備されていたらしい。 今回は富良野とPhronaがこの静かな革命に迫ります。生殖とは何か。性とは何か。そして、単細胞か

Seo Seungchul
1月15日読了時間: 13分


若者が街に出るとき――Z世代デモが政治を揺さぶる理由
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Clara Fong, " How Global Gen Z Protests Have Shocked and Transformed Governments" (Council on Foreign Relations, 2025年11月20日) 概要: 2019年以降、世界各地で若者主導の抗議運動が活発化し、政権交代や制度変革を引き起こしてきた経緯を分析。SNSの役割、非暴力戦術の有効性、そして運動が長期的な政治参加につながる可能性を検討している。 スマホ世代は政治に無関心だと言われてきた。けれど、2010年代半ば以降、世界のあちこちで10代20代が街頭に繰り出し、政権を退陣に追い込んだり、制度を変えたりする出来事が続いている。香港の雨傘運動、アメリカのBlack Lives Matter、韓国のキャンドル集会、チリの地下鉄料金値上げ抗議、スリランカの経済危機デモ、そしてイランの女性たちによる抵抗――。 これらの運動には共通点がある。SNSで拡散され、リーダーがはっきりしないまま広がり、既

Seo Seungchul
1月15日読了時間: 11分


ワンピースの海賊旗が世界を変える?――ミームが「指導者なき革命」を可能にした理由
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Nobel Rimal, " Meme movements " (Nepali Times, 2025年11月22日) 概要:2025年9月のネパールにおけるGenZ運動を起点に、世界各地で同時多発的に起きている若者主導の抗議活動を分析。これらの運動に共通するのは、特定のリーダーの不在と、『ワンピース』の麦わら海賊旗に代表されるインターネット・ミームの存在である。筆者は、ミームがかつてのパンフレットや政党組織に代わる「組織化の道具」として機能していると論じ、デジタルネイティブ世代が共有するグローバルな視覚文化の政治的意味を考察している。 2024年から2025年にかけて、ネパール、インドネシア、フィリピン、メキシコ、マダガスカルと、世界各地で若者主導の抗議運動が相次ぎました。不思議なことに、これらの国々は歴史も宗教も政治体制もまったく異なるのに、デモ参加者たちは同じシンボルを掲げ、同じ旗を振り、同じキャラクターをプラカードに描いていたのです。その代表格が、人気アニメ『ワンピース』の麦わら海賊団の

Seo Seungchul
1月15日読了時間: 14分
bottom of page