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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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世界哲学の認識論的収斂──他者だけに説明を求める制度を変える
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Takeshi Morisato, "The taming of Black thought" (Aeon, 2026年7月27日) 概要: 西洋の大学が黒人思想やアジア思想を既存の哲学体系へ包摂するとき、固有の歴史と急進的な批判が削られ、西洋哲学の普遍性がかえって補強される。Tommy Curryの「認識論的収斂」を軸に、その仕組みを黒人思想、アジア思想、植民地化された大学制度から検討し、研究者に長期的な読書、歴史と言語の学習、自己点検を求める。 2026年7月、Takeshi MorisatoはAeonに「The taming of Black thought」を寄稿した。西洋の大学では、黒人思想やアジア思想を教える機会が以前より増えている。教室の顔ぶれだけを見れば、多様化は進んだ。 Morisatoが調べるのは、その教室で誰の問いが使われているかである。デュボイスをヘーゲルから、ファノンをサルトルから理解し、仏教の無我をヒュームやデレク・パーフィットに似た議論として評価する。非西洋思想は読まれ

Seo Seungchul
8月1日読了時間: 18分


知性は誤りを制度化する──Krakauerの「愚かさの科学」と自己修正する社会
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:David C. Krakauer, "What Makes Humans Stupid" (Nautilus, 2026年7月8日) 概要: 知性を難しい問題を容易にする能力と捉え、その反対側に、理論や信念や技術を投入して問題をさらに難しくする愚かさを置く。誤りの精緻化、理論の誤適用、環境変化、目的の乗っ取り、AIへの検証能力の外部化をたどりながら、知的システムが愚かな結果を生む条件を研究すべきだと提案する記事。 会議室には専門家が揃い、資料も数字もある。全員が担当範囲では筋の通った判断をしている。それでも組織全体が、顧客を失い、環境を傷つけ、自分の存立条件まで削ることがある。失敗の原因を知識不足に求めるだけでは、この種の出来事は説明できない。 David C. Krakauerは、愚かさには知性が要ると考える。知性が高ければ正しい判断が増える、という素朴な期待を裏返す議論である。ただし、知性そのものが悪いわけではない。危険なのは、誤った問題設定を直す経路が閉じたまま、問題解決能力だけが高まること

Seo Seungchul
8月1日読了時間: 13分


エージェントAIは組織論をどう変えるか──摩擦・膜・プロトコル
シリーズ: 行雲流水 会議を削れ、稟議をなくせ、承認プロセスを短くしろ。エージェントAIの導入をめぐる議論は、たいていこの方向に走る。速くなること自体は、疑いようのない善として扱われる。 だが、実際に摩擦を削り切った組織を想像してみると、どうも様子がおかしい。速くなったはずなのに、何かが薄くなっている感触が残る。本稿では、その感触の正体を摩擦・膜・プロトコルという三つの層から辿り直してみる。 統治は摩擦を必要とする 会議、稟議、上司への確認、部署間の調整。これらは経営効率化の文脈では、しばしば単なる遅延として扱われてきた。情報を運ぶだけなら、AIエージェントの方が速く正確である。だとすれば、これらの仕組みは削って然るべきだ、という結論が自然に導かれる。 しかし、この結論は摩擦が果たしていた機能を一面的にしか見ていない。会議の場では、議事録には残らない誰かの表情の変化から、異常が拾われることがある。稟議では、複数人が順番に承認を与える過程を通じて、責任の所在が段階的に固定されていく。部署間の調整では、利害の対立が事前に可視化され、実行後の摩擦を未然

Seo Seungchul
7月31日読了時間: 7分


速い会社が、遅さの意味を忘れていく──「AIファースト」組織論が見落としている問い
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Jue Wang et al., "Mobilizing the Organization in the Agent Economy" (Bain Insights, 2026年6月17日) 概要: AI変革を「ツール導入」ではなく組織全体の再設計として捉え、変革を支える六つの前提条件と、四つの成長段階を示したレポート。段階が進むごとに得られる生産性の数値も具体的に示されている。 AIを導入すれば組織は速くなる。この命題に反対する経営者は、もはやほとんどいない。問題は、その先にある。Bain & Companyが2026年6月に公開したレポート「Mobilizing the Organization in the Agent Economy」は、AI変革を四つの段階に分けて描き、各段階で得られる生産性の数値まで具体的に示してみせる。少人数のチームが数百人分の仕事をこなす。承認プロセスは週単位で回る。変化に適応できる人材は、90日から120日で見分けがつくという。 ここまで具体的な記述に触れると、読み

Seo Seungchul
7月31日読了時間: 7分
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