top of page
Convisage
本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
検索
All Posts


AIが変える政治資本──説得権力の産業化と選んでいる感覚の設計
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Carolyn Wilke, "Is AI Mastering the Art of Persuasion?" (Kellogg Insight, 2026年5月20日) 概要:生成AIによる個人単位の説得を、情報収集・個人情報の種類・個別化戦略・伝達方法という四つの観点から整理した概念的フレームワークとスコーピング・レビュー。 生成AIが人を説得する力を持ちつつある、という話は、もう目新しさを失いつつある。広告が個人の好みに合わせて出し分けられることも、チャットボットが相談相手のように振る舞うことも、すでに日常の一部になっている。 問いを一段深く掘るなら、ここで確かめておくべきことがある。AIが実際に何をどこまでできるようになっているのか、そしてそれが従来の広告や政治宣伝と、どこで連続し、どこで断絶しているのか。この記事は、その足場を丁寧に組んでから、AI説得の政治的な意味を問い直したい。 説得のカスタマイズ 相手の性格や価値観に合わせて説得のメッセージを調整するという発想は、アリストテレスの弁論

Seo Seungchul
7月31日読了時間: 14分


大きな物語を探すのをやめると、設計の話が始まる──痩せた中間層と審判のいない上空
シリーズ: 行雲流水 人間が最も長く警戒してきた相手は、多くの場合天災でも猛獣でもなく、知らない人間だった。虎の行動は読める。しかし隣の谷から来た集団が何を考えているかは読めない。資源を奪うかもしれず、暴力を振るうかもしれず、病を持ち込むかもしれない。読めない相手を警戒することは、生存の条件だった。 それでも人類は、この読めない相手を、話が通じて利害を調整できる相手へと変えてきた。交易し、婚姻し、同盟を結び、貨幣と法と国家を発明し、外の人間を少しずつ社会の内側に入れてきた。人類史の大きな線を一本引くとすれば、この線になる。 問題は、その作業がどこまで進んだのか、である。 本稿の見立てでは、作業は途中で止まっている。外集団はもはや即座に殺すべき敵ではない。しかし競争相手として制度的に再構成されたまま残っている。そしてその競争が置き直された場所を特定しない限り、この議論は道徳論に堕ちる。 敵ではなく、高いリスクと高いリターンが同居する相手 出発点を正確に置いておきたい。 外集団を単純な敵として描くのは、粗い。見知らぬ集団は暴力と資源争奪と病原体のリス

Seo Seungchul
7月30日読了時間: 18分


ディストピアを自己成就的予言にしないために──未来を語る文化と未来を信じられる制度
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Samuel McKee, "Our Culture Needs to Defeat Dystopia — A New Renaissance Is Here, and It Needs Storytellers" (Institute of Art and Ideas, 2026年6月17日) 概要:科学技術はすでに大きな可能性を開いているにもかかわらず、文化はディストピア的な未来像に支配されている。筆者は、この状況を打開するには科学者だけでなく作家・映画制作者・教育者が未来を語り直す新しいルネサンスが必要だと論じる。 科学は止まっていない。AIも遺伝子工学も個別化医療も宇宙開発も、この十年で着実に前進している。それなのに、未来について語られる言葉のほうだけが痩せていく。ニュースは崩壊を報じ、映画は監視社会を描き、SNSは分断を煽る。とりわけ若い世代にとって、未来はもはや「よくなっていくもの」ではなく、「悪化がすでに決まっているもの」として受け取られている。 この違和感に、ひとつの明快な処方箋を与

Seo Seungchul
7月30日読了時間: 11分


仏教という中心なき資源をめぐる攻防──地政学と仏教
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Sudhi Ranjan Sen et al., "China, India Compete Over Buddhism Ahead of Dalai Lama Succession" (Bloomberg, 2026年7月3日) 概要:ダライ・ラマの後継問題が近づくなか、中国が仏教を通じてアジアでの影響力拡大を図り、インドの発祥地としての立場に挑もうとしている状況を、ネパール・ルンビニでの具体的な動きや、過去のパンチェン・ラマ後継問題の経緯を軸に描いた特集記事。 ネパールのルンビニには、中国系の機関が資金を出す施設と、インドが建てる文化センターが、徒歩で行き来できる距離で向かい合っている。仏陀が生まれたとされるこの土地で今起きているのは、宗教施設の建設競争ではない。次のダライ・ラマを誰が決めるのか、本来なら国家の手が届かないはずの問いをめぐる攻防である。 代表を持たない信仰は、誰にも本気で狙われずに済むはずだった。だが現実は逆を示す。中心を欠き、所有者が曖昧な信仰資源であるほど、複数の国家が「自分

Seo Seungchul
7月29日読了時間: 10分
bottom of page