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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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「グローバル・サウス」という言葉が覆い隠す問題 ──AI倫理が向き合うべき言葉の罠
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Evani Radiya-Dixit et al. "Moving Beyond the Term 'Global South' in AI Ethics and Policy" (Stanford University Human-Centered Artificial Intelligence, 2025年11月19日) 概要: AI倫理・政策分野における「グローバル・サウス」という用語の限界を検証し、20名の研究者・実務家へのインタビューを通じて、この用語が持つ問題点と、より具体的な地域・権力構造に基づいたアプローチの必要性を論じた研究報告。 AI技術をめぐる国際的な議論の場で、いま「グローバル・サウスの声を聞くべきだ」という言葉がよく聞かれるようになりました。一見すると、これまで軽視されてきた地域や人々に光を当てようとする、前向きな姿勢のように感じられます。しかし、この「グローバル・サウス」という言葉そのものが、実は新たな偏見や単純化を生み出してしまっているのではないか──そんな問いを、

Seo Seungchul
2025年12月30日読了時間: 11分


不安定な時代に固まれなかった思想家――バウマンが見た「液状化する近代」
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Artur Banaszewski "Zygmunt Bauman’s Century" (Jacobin, 2025年11月19日) 概要: ポーランド出身の社会学者ジグムント・バウマンの生誕100年を記念した記事。彼が提唱した「液状化する近代(liquid modernity)」の概念と、その背景にある波乱に満ちた人生経験、そして現代社会への警鐘について論じている。 SNSを開けば溢れる情報、数ヶ月で変わる仕事の環境、確信を持てない将来設計。私たちの暮らしには、どこか落ち着かない感覚が染み込んでいます。社会学者ジグムント・バウマンは、こうした時代を「液状化する近代」と名付けました。それは、かつて人々が信じた安定や確実さが溶けていく時代――でもそれは、単なる不安の話ではありません。 バウマンの人生そのものが、思想の正統性に抗い続ける軌跡でした。ナチスの侵攻、共産主義体制からの追放、冷戦の両側での孤独。幾度も世界が崩れる経験をしながら、彼は「人々こそが歴史を動かす」という信念を手放さなかった。生

Seo Seungchul
2025年12月30日読了時間: 14分


AIエージェントはいかにして「学ぶ」のか――4つの適応パラダイムが拓く次世代AI設計
シリーズ: 論文渉猟 ◆今回の論文: Pengcheng Jiang et al. "Adaptation of Agentic AI" (arXiv, 2025年12月18日) 概要: 本論文は、エージェント型AIシステムにおける「適応」の研究を体系的に整理し、エージェント適応(A1・A2)とツール適応(T1・T2)の4つのパラダイムからなる統一的枠組みを提案。それぞれの設計空間、トレードオフ、実践的な選択指針を明らかにし、ソフトウェア開発、深層研究、コンピュータ操作、創薬などの応用領域における具体例を示している。 私たちの日常に浸透しつつあるAIアシスタント。コードを書き、文書を検索し、複雑なタスクをこなす。しかし、こうした「エージェント型AI」がどのように能力を向上させていくのか、その仕組みを体系的に整理した研究はこれまでほとんどありませんでした。 2025年12月に発表されたこの論文は、スタンフォード大学、プリンストン大学、ハーバード大学、イリノイ大学など34名の研究者による共同研究として、AIエージェントの「適応(Adaptation

Seo Seungchul
2025年12月30日読了時間: 14分


極度の貧困撲滅の足跡が止まる日――成長なき国々の未来
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Max Roser "The end of progress against extreme poverty?" (Our World in Data, 2025年11月17日) 概要: 過去数十年間の極度の貧困削減の進展が、今後停滞する可能性について、世界銀行の予測データをもとに分析した記事。経済成長が停滞している国々に極貧層が集中している現状を指摘し、このままでは2030年以降、極貧人口が再び増加に転じる可能性があることを警告している。 過去30年間、世界は極度の貧困との闘いで目覚ましい成果を上げてきました。1990年には23億人だった極貧層が、現在は8億人余りまで減少。1日あたり約11万5000人が極度の貧困から抜け出した計算になります。しかし、この歴史的な進展が終わりを迎えようとしています。なぜか。それは、今日の極貧層の多くが、長期にわたって経済成長が停滞している国々に暮らしているからです。 富良野とPhronaが、この構造的な転換点について語り合います。かつて貧困削減を牽引したアジア諸

Seo Seungchul
2025年12月26日読了時間: 14分
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