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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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敵対者と敵の間は、紙一重でしかない──MAGAが浮き彫りにする闘技民主主義の課題
シリーズ: 行雲流水 理論と現実が似た形をしていると、人はそれを証明だと受け取りたくなる。 前回記述したMAGAの姿は、シャンタル・ムフが左派のために構想してきたものと、いくつもの点で重なる。異なる要求を一つの人民としてまとめ、共通の敵対線を引き、情念を政治の構成要素として扱い、既存のエリート支配に対抗する主体を作る。設計図と実物が並んでいるように見える。 しかし、似ていることと、証明されたことは違う。そして、似た形が期待どおりの結果に至らなかったからといって、それが反証になるわけでもない。MAGAはムフの構想の何を裏づけ、何を裏づけなかったのか。この問いを丁寧に扱うことは、単なる学説上の作業ではない。ここを曖昧にしたまま「ポピュリズムは有効だ」あるいは「ポピュリズムは危険だ」と結論すると、そこから導かれる制度的な処方まで大きく狂うからである。 本記事では、評価の作業を三段階に分けて進める。何が実証で何が例証かを分け、理論の内部で誰の主張がどこに属するかを分け、そのうえで、批判が本当に当たる場所を特定する。 実証と例証を分ける...

Seo Seungchul
8月2日読了時間: 10分


MAGAは、一つの主義でできていない──政治運動として見たMAGAの内部構造
シリーズ: 行雲流水 政治運動を評価するとき、私たちはたいてい、その運動が何を主張しているかを見る。しかしMAGAについては、その入り方がうまくいかない。 この運動の内部には、減税を求める富裕層と社会保障を必要とする労働者が同居している。自由市場を信じる勢力と保護主義を求める勢力、海外への軍事関与に積極的な安全保障強硬派と関与そのものに反対する勢力、宗教保守とテクノロジー系のリバタリアンが並んでいる。関税、社会保障、対外介入、企業規制のいずれについても、内部の対立は小さくない。 さらに、運動が掲げる政策の中身自体が、これまでに大きく動いてきた。それでも、離脱による分裂は起きていない。利害の異なる集団が同じ組織に残り続けるには、通常なら明確な妥協か、強い規律か、共通の利益構造のいずれかが必要になるはずだが、そのどれも教科書的な形では見当たらない。 したがって、主張の内容からこの運動を理解しようとする限り、説明はどこかで行き詰まる。見るべきなのは、何が主張されているかではなく、誰が何を作り、誰がそれを認めているかという分業の形である。 「分散型」とい

Seo Seungchul
8月2日読了時間: 9分


AI主権論は、依存を無くすのではなく、依存を選び直す発想で──AIサプライチェーン論から国家の統治能力論への接続
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Florian Mueller et al., "Resilience by Design: Preparing Your AI Stack for an Era of Uncertainty" (Bain Insights, 2026年7月7日) 概要: 企業のAIスタックに対するリスクが、技術障害やベンダーの値上げだけでなく、輸出規制や地政学的対立によるアクセス遮断へと広がったことを指摘し、柔軟性・選択肢・説明責任を設計原則として最初から組み込むべきだと論じる。 企業のAIスタックに関する実務的な提言を読みながら、国家の話を考え始めることに、正当な理由はあるのか。ないかもしれない。Bain & Companyが2026年7月に発表した論考は、あくまで経営者向けに書かれたものであり、輸出規制や地政学的対立を念頭に置いてはいても、国家の主権論を意図してはいない。 それでもこの論考が扱っている構造、依存の合理性と依存の脆弱性をどう両立させるか、という問いは、企業の外側でも同じ形をして立ち現れる。本稿は

Seo Seungchul
8月2日読了時間: 12分


制度がずるさを選び、鍛えている──Dファクターと、人格を持たないシステムの話
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:Nate Scharping, "These are the countries with the darkest personalities, according to science" (BBC Science Focus, 2026年7月18日) 概要: コペンハーゲン大学のインゴ・ツェットラーらが2025年にPNAS誌で発表した研究をもとに、約180万人分の性格診断データと、腐敗、暴力、格差、貧困からなる「嫌悪的社会条件指数」との相関を紹介する記事。国別・米国州別のランキングと、その限界を扱っている。 性格心理学の世界に、Dファクターと呼ばれる指標がある。自己利益を優先し、そのために他者の不利益を受け入れ、必要とあらば損害を与えることさえ正当化する、そうした傾向をひとつにまとめた概念だ。2025年にコペンハーゲン大学のインゴ・ツェットラーらが発表した論文は、この指標を世界規模のデータで測り、腐敗や暴力、格差といった社会条件との相関を確かめた。結果は小さいが、有意だった。悪い社会条件の場所ほど

Seo Seungchul
8月2日読了時間: 13分
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