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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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「縫い目」から見える脱植民地化──ガーナ独立運動を支えた一人の仕立て屋の物語
シリーズ: 論文渉猟 ◆今回の論文: Bright Gyamfi, "Uncovering Radical Histories: Anna Budu-Arthur’s Everyday Politics of Decolonization and Transnational Solidarity" (Radical History Review, 2025年10月1日) 概要: 本論文は、ガーナ独立運動において重要な役割を果たしながら公的な記録からほぼ消えていた女性、アンナ・ブドゥ=アーサーの生涯を、オーラルヒストリーと個人アーカイブを通じて復元する試みである。彼女の経験を通じて、脱植民地化が単なる政治的独立ではなく、日常的な実践と汎大西洋的な連帯のなかで形作られた複合的なプロセスであったことを明らかにしている。 アフリカ大陸で最初にヨーロッパの植民地支配から独立を勝ち取った国、ガーナ。1957年の独立は、世界史の大きな転換点として記憶されています。しかし、その輝かしい物語の主役として語られるのは、ほとんどが男性の政治家や活動家たちでした。.

Seo Seungchul
1月24日読了時間: 14分


NVIDIAの城壁は崩れるか?──AI半導体をめぐる「三つ巴」の攻防戦
シリーズ: 行雲流水 AIの進化が加速するなか、その心臓部を担う半導体の世界で、静かな、しかし巨大な地殻変動が起きています。「CUDA」という独自のソフトウェア基盤で開発者を囲い込み、圧倒的な支配力を誇るNVIDIA。その牙城に挑むのは、あえて囲い込みを避け「オープンな標準」で連合軍を組織しようとするBroadcom。そして両者の狭間で、独自の生存戦略を模索するクラウド企業やデバイスメーカーたち。 この三つ巴の攻防は、単なる企業間競争を超えて、AIが「誰のもの」になるのかという問いを私たちに突きつけます。巨大IT企業のデータセンターに集中するのか、それとも私たちの手元のスマートフォンやパソコンに分散していくのか。その答えは、今まさに形作られつつあります。 富良野とPhronaが、この複雑な勢力図を読み解きながら、10年後、15年後の未来を見通そうとします。技術の話でありながら、その底流には「標準とは何か」「支配と自由のバランス」という、より普遍的な問いが流れています。 なぜBroadcomは「CUDA」を作らないのか 富良野:...

Seo Seungchul
1月24日読了時間: 13分


人間の本性と新自由主義の神話――進化心理学が明かす協力と競争の真実
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Paul Deutchman, " The selfish myth driving modern economics " (Institute of Art and Ideas, 2025年12月10日) 概要:人間は進化の過程で競争だけでなく協力によっても生き延びてきた。しかし新自由主義は人間の利己的側面のみを強調し、社会を純粋に合理的で利己的な主体という虚構の上に再設計してきた。この誤解が不平等、民主主義の衰退、共通善の喪失を招いている。進化心理学の知見から、協力本能を取り戻し、人間本性の両側面を活かす政治経済を再構築する必要性を論じる。 現代社会を支配する新自由主義経済の前提には、人間は本質的に利己的で合理的な存在だという仮定があります。しかし、進化心理学の研究は、私たちの先祖が生き延びてきたのは競争だけでなく、協力によってでもあったことを明らかにしています。ペンシルベニア大学のポール・ドイチュマン准教授は、人間の本性についての誤解が、どのように不平等の拡大や民主主義の衰退、共通善の感覚

Seo Seungchul
1月21日読了時間: 15分


自由主義の約束が届かなかった場所で――アフリカが模索する新しい政治思想
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Gabriel Asuquo, "The empty ideology" (Aeon, 2025年12月9日) 概要:20世紀半ばにアフリカ諸国が独立した際、民主主義・人権・自由市場といった自由主義の理念が約束されたが、実際には選挙不正、経済的格差、外部依存が続いている。この失敗は制度の未熟さだけでなく、西洋の個人主義的価値観とアフリカの共同体的伝統との根本的な不一致に起因する。著者は、自由主義を批判的に検証しながら、ウブントゥ哲学やアフリカ社会主義、合意型民主主義といったアフリカ独自の政治思想の可能性を探る。 独立から数十年が経過したアフリカ諸国では、いまも民主主義と経済発展の約束が十分に果たされていない。選挙は行われるものの結果は密室で決まり、市場の自由化は格差を拡大させ、主権は国際機関の条件付き融資によって制約される。問題は指導者の質や制度の弱さだけではない。もっと深い層での不一致がある――ヨーロッパの啓蒙主義から生まれた自由主義という政治哲学が、アフリカの共同体的伝統や関係性を重視する倫

Seo Seungchul
1月21日読了時間: 21分
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