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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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知新察来


「無料で使い放題」の終焉?――Wikipedia25周年、巨大テック企業との新たな取引が示す"知識の経済学"
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Deborah Mary Sophia, " Wikipedia owner signs on Microsoft, Meta in AI content training deals " ( Reuters , 2026年1月15日) 概要:Wikipediaを運営するWikimedia財団が、Microsoft、Meta、Amazon、Perplexity、Mistral AIとのパートナーシップを発表。創設25周年を機に、AI企業がWikipediaのコンテンツを学習データとして利用するための商業サービス「Wikimedia Enterprise」の拡大が明らかにされた。 Wikipediaが2026年1月15日に創設25周年を迎えました。「誰でも無料でアクセスできる百科事典」として、インターネットの民主的な理想を体現してきたこのプラットフォームは、いま大きな転換点に立っています。Microsoft、Meta、Amazon、Perplexity、Mistral AIといった巨大テック企業や

Seo Seungchul
3月15日読了時間: 13分


「不動産も美術品も、1万円から買える時代」――韓国がトークン証券を解禁した意味
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Amin Ayan, "South Korea Advances Bill to Legalize Issuance, Trading of Tokenized Securities" ( Cryptonews , 2026年1月16日) 概要:韓国国会が資本市場法・電子証券法の改正案を可決。セキュリティ・トークン・オファリング(STO)を合法化し、ブロックチェーン技術を用いたトークン化証券の発行・取引に法的基盤を与える。2027年1月施行予定。 2026年1月、韓国の国会がある法案を可決しました。資本市場法と電子証券法の改正案です。これにより、不動産や美術品、さらには畜産プロジェクトまで、ブロックチェーン上でトークン化して売買できるようになります。施行は2027年1月。韓国は2019年に暗号資産の発行を全面禁止していましたが、それを一転させる大きな政策転換です。 市場規模の予測も桁違いです。ボストン・コンサルティング・グループは、韓国のトークン証券市場が2030年までに約37兆円規模に成長する

Seo Seungchul
3月9日読了時間: 12分


量子コンピュータは「ノイズ」を克服できるか?――エラー訂正技術が拓く未来
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Henning Soller et al., " Making fault-tolerant quantum computers a reality " ( McKinsey Tech Forward , 2025年12月8日) 概要:量子コンピュータの実用化に向けて、ノイズによるエラーを克服するための「量子ロバストネス」戦略を解説。エラー抑制、エラー検出・訂正、エラー緩和という三つの技術を組み合わせることで、フォールトトレラント(耐障害性)な量子コンピュータの実現が近づいていることを論じている。 量子コンピュータが「夢の計算機」と呼ばれて久しいですが、その実用化を阻む最大の壁は、意外にも「ノイズ」という地味な問題です。温度のわずかな揺らぎ、周囲の電磁波、さらには隣り合う量子ビット同士の干渉――こうした外乱によって、量子状態は簡単に崩れてしまいます。これを「デコヒーレンス」と呼びますが、計算の途中で情報が壊れてしまえば、どんなに高度なアルゴリズムも意味をなしません。 しかし2024年から2025

Seo Seungchul
3月9日読了時間: 11分


「もはや平和はリアリティの無い虚像」なのか――AIと暴力の、密接不可分な構造
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Thomas Christian Bächle et al., "AI isn't a dual-use technology, it is inherently violent" ( Institute of Art and Ideas , 2026年3月5日) 概要:「軍民両用(デュアルユース)」という技術分類の概念が、AIの時代においてすでに機能不全に陥っていることを論じる。民間向けに設計された技術が軍事・暴力的用途に容易に転用できるだけでなく、AI技術の自律性・汎用性・ネットワーク性そのものが暴力のポテンシャルを内包していると主張。「平和対戦争」「民間対軍事」「国家対非国家」といった近代的二分法が溶解するなか、現実的な目標は「世界平和」ではなく攻撃と防御の「均衡(equilibrium)」だと結論づける。 AIは便利なツールです。翻訳してくれる、画像を作ってくれる、物流を最適化してくれる。でも今日紹介する論考は、そういう話を静かに、しかし根本から覆します。AIは「使い方次第で危険にもなる

Seo Seungchul
3月5日読了時間: 11分


「合法ならOK」は、もう通用しないかもしれない――AIと軍事契約が問いかけるもの
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: James O'Donnell, "OpenAI’s 'compromise' with the Pentagon is what Anthropic feared" ( MIT Technology Review , 2026年3月2日) 概要:OpenAIが米国防総省と締結した契約の内容を、Anthropicが求めた条件と比較分析した記事。OpenAIは「法律と既存の政策を守る」ことを根拠に契約を結んだが、Anthropicが求めていたのはそれを超えた「契約上の明示的な禁止条項」だった。法律への委任と道徳的な自己拘束の違いを、法学者の見解も引きながら整理している。 AIを軍に使わせてはいけない、という話があります。正確には「自律型の兵器と、市民への大規模監視には使わせたくない」という話です。あるAI企業がそう主張してペンタゴン(米国防総省)との交渉を打ち切ったとき、政府は「安全保障上のリスク企業」という烙印を押して、その会社を公共調達から事実上締め出しました。そして競合他社が、「法律の範囲内

Seo Seungchul
3月4日読了時間: 12分


宇宙の果てと脳の奥が、同じ数学でつながっていた?
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Noah Lloyd, " How string theory helped solve a mystery of the brain’s architecture " ( Northeastern Global News , 2026年1月7日) 概要:ノースイースタン大学のネットワーク科学研究チームが、脳のニューロン接続や血管ネットワークなどの「物理的ネットワーク」の構造を分析。従来の「配線長最小化」仮説では説明できなかった分岐パターンが、弦理論で使われる「表面積最小化」の数学で正確に予測できることを発見した。 私たちの脳には、約860億個のニューロン(神経細胞)があります。それらは互いに複雑に接続し合い、思考や記憶、感情を生み出しています。では、この途方もなく複雑なネットワークは、どんな「設計思想」で組み立てられているのでしょうか。 科学者たちは長い間、脳のニューロンは「最短経路」で接続されているはずだと考えてきました。生物にとって、神経線維を作るのはコストがかかる。だから無駄な配線は避け

Seo Seungchul
3月3日読了時間: 11分


国際協力は「死んでいない」――それでも変わりゆく世界の協調のかたち
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: World Economic Forum, McKinsey & Company, "The Global Cooperation Barometer 2026" ( World Economic Forum Insight Report , 2026年1月) 概要:41の指標を用いて国際協力の状況を「貿易・資本」「イノベーション・技術」「気候・自然資本」「健康・ウェルネス」「平和・安全保障」の5つの柱で計測。2024年のデータを中心に、2025年の動向も加味して分析。全体としての協力水準は横ばいだが、その構成は大きく変化しており、多国間主義が後退する一方で、より柔軟な小規模連合による協力が台頭していることを明らかにした。 世界はいま、分断と対立の時代に入ったとよく言われます。貿易戦争、地政学的緊張、紛争の激化。ニュースを見れば、国際協力という言葉が古びた理想のように響くこともあります。ところが、2026年1月に世界経済フォーラムとマッキンゼーが発表した「グローバル協力バロメーター2026」は、

Seo Seungchul
3月3日読了時間: 12分


「知らないことを知らない」ままで、なぜ人は自信満々でいられるのか
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Hunter Gehlbach et al., " The illusion of information adequacy " ( PLOS One , 2024年10月9日) 概要:人々が自分の持つ情報が十分かどうかを疑わず、不完全な情報に基づいて自信を持って判断を下す傾向を「情報十分性の錯覚」と名付け、実験的に検証した研究。1,261人の参加者を対象に、学校統合の架空シナリオを用いて、半分の情報しか持たない人々が全情報を持つ人々と同等に「情報は十分」と感じ、むしろより強い自信を示すことを明らかにした。 交差点で前の車がなかなか発進しない。イライラしてクラクションを鳴らそうとした瞬間、ベビーカーを押す親子が横断歩道を渡っていくのが見えた——。自分が見えていなかっただけで、前の車には動けない理由があったのです。 私たちは日常的に、自分が「十分な情報を持っている」と思い込んで判断を下しています。ソクラテスの「無知の知」やラムズフェルド元国防長官の「知らないことすら知らないこと」という言葉は、この

Seo Seungchul
3月2日読了時間: 10分


AIが「うまくいく」と、経済が壊れる?――2028年の架空シナリオが問う、成長の裏側
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Alap Shah et al., "The 2028 Global Intelligence Crisis" ( Citrini Research , 2026年2月22日) 概要:架空の「2028年6月」を語り手の時点として、AIの急速な普及がどのように経済危機を引き起こしうるかを描いたシナリオ分析。失業率10.2%、S&P500が2026年高値から38%下落という状況を仮定し、「知識労働の価値が消える」ことで生じる構造的な経済崩壊のメカニズムを「知能変位スパイラル(Intelligence Displacement Spiral)」「幽霊GDP(Ghost GDP)」などの概念を使って分析する。レポートは予測ではなく、現在の制度的想定に対する警鐘として位置付けられている。 「AIが思ったより使えない」という失望のシナリオは、あちこちで語られてきました。でも、その逆——「AIが完璧に機能したら、どうなるか」という問いは、あまり真剣に掘り下げられてきませんでした。 2026年2月、投資調査会社

Seo Seungchul
2月25日読了時間: 11分


細胞は工場ではなくジャズバンドだ――分子生物学の新しい地平線
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:E wa Grzybowska, " Organisms are musicians not machines " ( Institute of Art and Ideas , 2025年12月3日) 概要:旧来の生物学では、細胞は精密な工場のようなものとして理解されてきました。一つの遺伝子から一つのタンパク質が作られ、それぞれが決まった機能を果たす。しかし2000年代以降、この図式は大きく揺らいでいます。タンパク質は形を変え、構造を持たないままでも機能し、遺伝子は解釈の余地を持つテキストとして振る舞う。ワルシャワの腫瘍学研究所の分子生物学者エワ・グジボフスカ教授が描くのは、即興と柔軟性に満ちた生命の新しい姿です。富良野とPhronaが、機械的な生命観から創造的な生命観への転換について語り合います。 旧来の生物学では、細胞は精密な工場のようなものとして理解されてきました。一つの遺伝子から一つのタンパク質が作られ、それぞれが決まった機能を果たす。 しかし2000年代以降、この図式は大きく揺らいでいま

Seo Seungchul
2月23日読了時間: 20分


「とにかくデータを集めろ」は正しいのか?──MIT発、最小データで最適解を導く新理論
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Adam Zewe, "Bigger datasets aren’t always better" (MIT News, 2025年11月18日) 概要:MITの研究チームが、複雑な最適化問題において「最適解を保証する最小限のデータセット」を特定するアルゴリズムを開発。問題の構造と不確実性を考慮することで、従来のアプローチよりもはるかに少ないデータで確実に最適解を得られることを数学的に証明した。地下鉄路線の計画やサプライチェーン管理など、構造化された意思決定問題への応用が期待される。 AIの時代、「データは多ければ多いほどいい」という考え方が常識のように語られています。モデルの精度を上げるためにはとにかく大量のデータを集め、膨大な計算資源を投入する。それが当たり前の風景になりました。 でも、ちょっと立ち止まって考えてみると、本当にそうなのでしょうか。ニューヨークの地下に新しい地下鉄路線を通すとき、すべての街区の地質調査をしなければ最適なルートは見つからないのでしょうか。サプライチェーンを最適化す

Seo Seungchul
2月23日読了時間: 11分


ルールなき世界で生き残るには──レイ・ダリオの「歴史サイクル論」が静かに告げること
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Ray Dalio (X, 2026年2月14日) 概要:世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」創業者のレイ・ダリオが、ミュンヘン安全保障会議を受けて投稿した長文論考。1945年以降続いてきた国際秩序の終焉を宣言し、自身の「ビッグサイクル」理論における「ステージ6(大混乱期)」への突入を初めて断言。著書第6章をほぼ全文掲載する形で、帝国の興亡を貫く普遍的なメカニズムと、第二次世界大戦前夜との類似点を詳述している。 「1945年以降の世界秩序は、もう終わった」——2026年2月、伝説的な投資家レイ・ダリオが発したこの言葉が、静かに、しかし確実に波紋を広げています。 ミュンヘン安全保障会議で各国首脳が口々に「旧来の秩序は存在しない」と語るなか、ダリオは500年分の帝国の興亡データをもとに「これは歴史の必然だ」と宣言しました。彼の「ビッグサイクル」と呼ばれる枠組みによれば、今の世界は秩序が崩壊する最終段階——「ステージ6」に突入したと言います。 貿易戦争、技術戦争、資本戦争、そし

Seo Seungchul
2月20日読了時間: 13分


AIのお金の流れが、金利を動かしている──巨大投資が債券市場を変える構造
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Hugo De Vere, et al. " How AI debt financing impacts duration supply and interest rates " ( Federal Reserve Bank of Dallas , 2026年2月10日) 概要:AIデータセンターへの巨額投資が、米国の金利市場(固定利付債市場)に与える影響を分析した政策論文。社債の直接発行・スワップ取引による合成的な長期資金調達・金融機関の発行余地を奪うクラウドアウト効果という3つのチャネルを通じて、長期金利の上昇圧力と国債スワップスプレッドの変化が生じていることを、実証データを交えて論じる。 「AIに投資する」というニュースは毎日のように流れてきます。でも、その資金が「どこから来て」「どんな形で市場に流れ込んでいるか」を追いかけると、思いがけない景色が見えてきます。 今後3〜5年で数百兆円規模とも言われるAIデータセンター投資。その資金調達が今、米国の債券市場——長期金利の水準を左右する巨大な

Seo Seungchul
2月20日読了時間: 14分


17分間燃え続けた「人工太陽」──核融合エネルギーはどこまで近づいたか
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事:P atrick Pester , " China's 'artificial sun' shatters nuclear fusion record by generating steady loop of plasma for 1,000 seconds " ( Live Science , 2025年1月21日) 概要:中国の核融合実験装置EAST(Experimental Advanced Superconducting Tokamak)が、高閉じ込めモードでのプラズマ維持時間1,066秒を達成し、世界記録を更新。核融合発電の実用化に向けた重要なマイルストーンとして報じられた。 2025年1月、核融合研究の世界で静かな、しかし重要な節目が刻まれました。中国科学院の核融合実験装置EAST(通称「人工太陽」)が、1億度を超える超高温プラズマを1,066秒間──およそ17分半──維持することに成功したのです。これは2023年に同装置が打ち立てた403秒という記録を大幅に更新するもので、核融合発電

Seo Seungchul
2月17日読了時間: 11分


脳がなくても眠りは必要?──クラゲが教えてくれた「睡眠の起源」
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Jack Tamisiea , " Jellyfish sleep a lot like us—and for the same reasons " ( Science , 2026年1月6日) 概要:脳を持たない刺胞動物(クラゲ・イソギンチャク)が人間と類似した睡眠パターンを示すことを報告したNature Communications掲載論文の解説記事。睡眠が神経細胞のDNA修復のために進化した可能性を示唆する研究成果を紹介している。 私たちはなぜ眠るのでしょうか。この問いに対して、「脳を休めるため」「記憶を整理するため」といった答えが浮かぶ方は多いかもしれません。ところが最新の研究が、この常識を揺さぶる発見を報告しています。なんと、脳を持たないクラゲやイソギンチャクが、私たちと驚くほど似た睡眠パターンを持っていたのです。 イスラエル・バルイラン大学の研究チームは、逆さクラゲとスターレットイソギンチャクという2種の刺胞動物を詳細に観察し、その成果を2026年1月、科学誌『Nature...

Seo Seungchul
2月15日読了時間: 13分


「絶対に許せない」vs「状況による」──政治対立の本当の根っこは、道徳観の違いにあった
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Namrata Goyal , " Studies reveal the real political divide is over the nature of morality " ( Institute of Art and Ideas , 2026年1月8日) 概要:59カ国にわたる大規模調査とSNS分析から、政治的対立の根底には保守・リベラルという政策的立場の違いではなく、道徳的絶対主義(moral absolutism)と道徳的相対主義(moral relativism)という哲学的スタンスの違いがあることを明らかにした研究。絶対主義者は政治的立場を問わず禁止政策を支持しやすく、この道徳哲学の違いを理解することが生産的な対話の鍵となると論じている。 「あの本は学校で教えるべきじゃない」「いや、文脈次第でしょ」——こうした議論が、なぜこれほど激しく平行線をたどるのでしょうか。保守とリベラルの対立として語られがちなこの現象には、実はもっと深い断層が隠れています。 59カ国、数十万人規模の調

Seo Seungchul
2月15日読了時間: 10分


「遅れている」はずの欧州は、AI競争の大穴になりうるか?
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Bernardo Kastrup , " Europe's last hope in the AI race " ( Institute of Art and Ideas , 2026年1月5日) 概要:ヨーロッパのAI主権獲得の可能性について論じた記事。現在のAI産業がGPUの非効率な転用に依存していることを指摘し、ヨーロッパが精密工学の伝統と独自のチップ設計能力を活かすことで、製造技術の遅れを補い、真のAI主権を確立できると主張。著者自身の会社Euclydの事例を挙げながら、2030年までの実現可能性を説く。 AIの覇権争いといえば、アメリカと中国の二大巨頭が真っ先に思い浮かびます。莫大な資金、膨大なデータ、そして最先端の半導体製造技術。ヨーロッパはこの競争において、すでに周回遅れだと多くの人が考えています。実際、最先端のAIチップを製造できる工場(ファブ)はアジアに集中しており、ヨーロッパの半導体産業は自動車向けに特化してきた歴史があります。 しかし、本当にヨーロッパに勝ち目はないのでしょ

Seo Seungchul
2月11日読了時間: 13分


量子力学は「当たる」けれど「本当のこと」を言っているのか?――予測の成功と実在の間にある深い溝
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Raoni Arroyo et al. , " Quantum mechanics works, but it doesn't describe reality " ( Institute of Art and Ideas , 2026年1月7日) 概要:波動関数実在論(wavefunction realism)を支持する議論には根本的な混乱があり、波動関数が量子力学という理論的枠組みの中で有用であることを示しているに過ぎず、その枠組みが真であることや波動関数が実在することを示すものではないと論じる。理論の有用性と真理性の区別、および科学的実在論における二つの層(存在論的テーゼとメタ存在論的テーゼ)の混同を指摘している。 量子力学は、現代物理学でもっとも成功した理論だと言われています。電子の振る舞いから半導体の設計まで、その予測精度は驚異的です。では、この理論が描き出す世界像は「本当の現実」なのでしょうか。 物理学者ショーン・キャロルのように、量子力学の中心にある「波動関数」こそが実在する何かを

Seo Seungchul
2月11日読了時間: 10分


「進歩的ナショナリズム」は可能か──左派とネイションの困難な関係
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Siniša Malešević , " Everyone's a nationalist, the Left needs to accept this " ( Institute of Art and Ideas , 2026年1月6日) 概要:ナショナリズムは過激な右派政治と結びつけられがちだが、実際には現代社会のあらゆる側面に浸透した支配的な世界観である。進歩派はナショナリズムを拒絶するのではなく、フランス革命の理念(自由・平等・友愛)に立ち返り、より包摂的で連帯的な形へと再構築すべきだと論じる。 ナショナリズムは右派のものだ——そんな思い込みを捨てよ、と社会学者シニシャ・マレシェヴィッチは言います。オリンピックで自国選手を応援し、「国産」のラベルに安心感を覚え、海外旅行で「日本人です」と名乗る。私たちの日常には、すでにナショナリズムが深く浸透している。ならば進歩派もこの現実を受け入れ、ナショナリズムを「より良い形」に作り変えるべきではないか——これが彼の提案です。 一見もっともらしい議論

Seo Seungchul
2月10日読了時間: 14分


暗号資産の税制が激変する──国際課税フレームワークと日本の分離課税化、二つの潮流を読む
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: 大津賀新也, "暗号資産が「申告分離課税」へ、但し「特定銘柄」に限るなど条件付き=税制改正大綱" ( あたらしい経済 , 2025年12月19日) 概要:令和8年度税制改正大綱において、暗号資産の分離課税化が明記された。現物取引、デリバティブ取引、ETFから生じる所得が対象となるが、「特定暗号資産」に限定される条件付き。金融商品取引法改正を前提に、税率は一律20%となる見込み。 Ciaran Lyons, " Crypto tax data to be collected in 48 countries ahead of CARF 2027 " ( Cointelegraph , 2026年1月1日) 概要:OECDが策定した暗号資産報告フレームワーク(CARF)が2027年の情報交換開始に向けて動き出し、2025年1月1日から48カ国・地域の暗号資産サービス提供者が取引データの収集を開始。 2025年、暗号資産をめぐる税制が大きく動いています。国際的には、48カ国で取引データの収集が始まり

Seo Seungchul
2月10日読了時間: 10分
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