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本ブログの内容は、あくまで代表 徐勝徹の個人的な見解であり、Projeteam, Inc.の公式見解や業務上の立場を示すものではありません。
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知新察来


AIが変える人材戦略――「その人らしさ」を見つめ直す時代へ
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: David Michels "AI Is Changing Work. Is Your Talent Strategy Evolving Too?" Forbes, 2025年7月22日) 概要: AI時代における人材戦略の変革について、「アーキタイプ効果」という従業員の動機を6つのタイプに分類する理論を紹介。従来の画一的な人材管理から、個々の特性に応じたアプローチへの転換を提案している。 企業って、お客様のことは細かく分析するのに、なぜか社員のことになると「みんな出世したいはず」って決めつけがちですよね。でも本当にそうでしょうか? 最近、Bain & CompanyのJames Root氏が提唱する「アーキタイプ効果」という考え方が注目されています。これは、働く人の動機や価値観を6つのタイプに分類して、それぞれに合った育成や支援をしていこうというものです。 AIが人事領域にも本格的に入ってきた今、「平均的な社員像」から脱却して、一人ひとりの特性に目を向ける時代がやってきているのかもしれません。

Seo Seungchul
2025年11月23日読了時間: 8分


安定した世界は覇権国を必要とするのか?――東南アジアの歴史から考える、これからの国際秩序
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Manjeet S Pardesi "The world without hegemony" ( Aeon, 2025年10月30日) 概要: アメリカの覇権安定論に対して、古典期東南アジアの歴史を通じて、覇権国なしでも安定した国際秩序が成立しうることを論じたエッセイ。東南アジアの「マンダラ」体制や、インド・中国・東南アジア諸国の相互関係から、多元的秩序(multiplex order)の可能性を示している。 アメリカ主導の国際秩序が揺らぐ今、多くの人が不安を感じています。次は中国が覇権国になるのか、それとも無秩序な混乱が待っているのか。でも、この問いの前提そのものが実は偏っているかもしれません。20世紀のアメリカ人学者が作り上げた覇権安定論という考え方は、世界の安定には必ず覇権国が必要だという前提に立っています。 ところが、東南アジアを中心とした古典期東インド洋の歴史を見ると、まったく違う光景が浮かび上がってきます。紀元前後から15世紀まで、この海域では覇権国なしに交易と文化が栄え、多様な勢力

Seo Seungchul
2025年11月23日読了時間: 30分


AIが「忘れる」ことの意味──Nested Learningが開く記憶と学習の新次元
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Ali Behrouz et al. "Introducing Nested Learning: A new ML paradigm for continual learning" ( Google Research, 2025年11月7日) 概要: NeurIPS 2025で発表された論文に基づき、機械学習における新しいパラダイム「Nested Learning」を紹介。従来の深層学習モデルにおける「破滅的忘却」の問題に対処するため、モデルのアーキテクチャと最適化アルゴリズムを統合的に捉え、多層的な最適化問題の入れ子構造として学習を設計する。実証実験として「Hope」という自己修正型アーキテクチャを開発し、言語モデリングや長文脈タスクで既存モデルを上回る性能を示した。 GoogleのAI研究チームが提唱した新しい機械学習のパラダイム、Nested Learning。一見すると高度に技術的なテーマですが、その核心には私たち人間にとっても身近な問いが潜んでいます。「新しいことを学びながら、以前学ん

Seo Seungchul
2025年11月19日読了時間: 18分


ブータンが示す「国民ID×ブロックチェーン」の可能性――幸福度を測る国が選んだデジタル主権
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Brayden Lindrea " Bhutan migrates its national ID system to Ethereum" ( Cointelegraph, 2025年10月13日) 概要: ブータンが国民ID管理システムを、ポリゴンからイーサリアムへ移行。約80万人の国民が自己主権型アイデンティティ(SSI)によって、自分の個人情報を管理し、政府サービスにアクセスできるようになる。2026年第1四半期に移行完了予定。イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリンも式典に参加し、Ethereum Foundation代表の宮口あや氏は「世界初の快挙」と評価。ブータンは以前からビットコインのマイニングにも力を入れており、国家レベルの暗号資産活用の先駆者となっている。 GDPではなくGNH——国民総幸福量という独自の指標で国の豊かさを測ってきた小さな王国、ブータンが、また新しい挑戦を始めています。約80万人の国民の身分証明システムを、ブロックチェーン技術の代表格であるイーサリアムへと

Seo Seungchul
2025年11月19日読了時間: 20分


ヨーロッパに開かれた歴史的な「窓」──防衛債券がもたらす連邦制への道
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Carlo Martuscelli " Europe is going full 1790s America " (POLITICO, 2025年3月17日) 概要: トランプ大統領の就任とロシアの脅威を背景に、EUが防衛目的で1500億ユーロの共同債券発行を計画。これはアメリカの「ハミルトニアン・モーメント」に匹敵する、EUの連邦制への転換点になる可能性があるとする分析記事。 トランプ大統領の復活とロシアの脅威を前に、ヨーロッパが大きな岐路に立っています。EUが防衛のために共同債券を発行する―それは単なる財政措置を超えて、ヨーロッパの未来そのものを変えるかもしれません。 アメリカ建国時、アレクサンダー・ハミルトンが各州の債務を連邦債券として統合し、バラバラだった州を一つの国家へと導いた「ハミルトニアン・モーメント」。今、EUにも同じような歴史的転換点が訪れようとしています。1500億ユーロという巨額の共同債券発行計画は、単に武器を買うためのお金の話ではありません。それは「ヨーロッパとは何か」とい

Seo Seungchul
2025年11月17日読了時間: 7分


トランプ政治の背景にある「同族経営の時代」──1980年代の資本主義が変えたもの
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Kim Phillips-Fein " A Family Business: Trump’s theory of politics " (The Nation, 2025年10月14日) 概要: メリンダ・クーパーの著書『Counterrevolution: Extravagance and Austerity in Public Finance』の書評記事。トランプ政治の本質を、1980年代以降の企業所有構造の変化——株主分散型の大企業から、非公開型・同族経営型企業への移行——という経済構造の変化から読み解く。トランプの支持基盤である中小事業主や自営業者たちが、大企業の株主ではなく家族経営の富豪たちに共感する背景を、政治経済学の視点から考察している。 トランプが2度目の大統領選に勝利した2024年、多くの人がこう問いました。「なぜ彼の政治は消えないのか」と。保守的な政治家として片付けるには異質で、単なる大衆迎合とするには執拗。そして何より、大企業のCEOではなく不動産王という肩書きの人物が、なぜ

Seo Seungchul
2025年11月17日読了時間: 18分


気候レジリエンスが投資の新潮流に──自然災害から利益を生む時代の倫理
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Alexis Trittipo et al. "Climate resilience technology: An inflection point for new investment" (McKinsey Insights, 2025年9月29日) 概要: 気候変動による自然災害の激化を背景に、企業や投資家が気候レジリエンス技術への投資を本格化させている。マッキンゼーは、建物の強靭化、送電網の強化、水インフラ、農業技術など10分野49技術を分析し、2030年までに6000億ドルから1兆ドル規模の市場になると予測。従来は公的資金が中心だったこの分野に、民間資本が流入し始めている。 2024年、アメリカでは10億ドル規模の気候災害が27件発生しました。過去44年間の年平均の3倍です。2025年前半だけで、世界の経済損失は1620億ドルに達しています。こうした中、企業や投資家の間で気候レジリエンス──つまり気候変動への適応技術への関心が急速に高まっています。防災や適応への投資が、実は新しい資産クラ

Seo Seungchul
2025年11月13日読了時間: 15分


「ポスト真実」の時代に、なぜ知的な探求が必要なのか――知ることは道徳的な行為である
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Jason Baehr "In a post-truth world truth-seeking is more important than ever" (The Institute of Art and Ideas, 2025年10月8日) 概要: ポスト真実の時代において、真実を追求する姿勢がかつてないほど重要になっている。情報技術の発達は情報アクセスを拡大したが、同時に思考の質を低下させた。この状況を打開するには、知的な徳――好奇心、開かれた心、謙虚さ、粘り強さなど――を育むことが鍵となる。教育機関はこうした徳の涵養に特に適した場であり、知的形成を意図的かつ体系的に行うべきだという提言。 情報が溢れているのに、真実は見えにくくなっている。どのニュースにも複数の視点があり、それぞれが異なる「真実」を主張する。そんな世界で、多くの人が知ろうとすること自体を諦めつつあります。 哲学者ジェイソン・ベーアは、こうした状況だからこそ、知識はサバイバルスキルであると主張します。テクノロジーは情報へのア

Seo Seungchul
2025年11月13日読了時間: 17分


友達の信念で人を判断していませんか?――見えない差別「beliefism」が分断を深める理由
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Paul Dolan "The hidden prejudice tearing society apart" (Kellogg Insight, 2025年10月30日) 概要: 行動科学の視点から、性差別や人種差別とは異なる新しい形の差別「beliefism」について論じた記事。beliefismとは、ある一つの信念や意見の違いだけで相手の人格全体を判断してしまう態度を指す。ガーナのタクシー運転手の研究事例などを通じて、beliefismが経済行動や社会的分断にどのような影響を及ぼすかを検証し、異なる意見を持つ人々との寛容な関係構築の重要性を訴えている。 SNSで意見が合わない人をブロックする。政治的立場が違うというだけで、その人の全人格を否定してしまう。私たちは日常的に、性別や人種による差別には敏感になっているけれど、もっと見えにくい、けれど確実に社会を分断している差別があるのかもしれません。 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの行動科学教授Paul Dolanは、この現象を「beli

Seo Seungchul
2025年11月10日読了時間: 15分


企業の脱炭素宣言と実態のギャップ──なぜ"LED交換"が主流なのか
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Catrina Achilles et al. " Big Goals, Small Steps—Why Most Corporate Green Initiatives Fall Short" (Kellogg Insight, 2025年9月1日) 概要: 米国大手企業455社が2011年から2021年に報告した9,937件の排出削減プロジェクトを分析。企業の脱炭素施策の63%が3年以内に回収できる短期プロジェクトで、LED交換などの小規模な省エネ対策が中心。長期的な技術革新への投資は10%にとどまり、ネットゼロ目標達成には不十分であることが明らかになった。 多くの企業が「2050年までにネットゼロ」と高らかに宣言している。しかし、その裏側で実際に進められているプロジェクトの中身を見ると、期待とはかけ離れた現実が浮かび上がってくる。大規模な技術投資や長期的な脱炭素プロジェクトではなく、LED電球への交換や空調の効率化といった小規模な省エネ施策が大半を占めているのだ。 ノースウェスタン大学ケ

Seo Seungchul
2025年11月10日読了時間: 11分


ルールを守らせたいなら、少し揺らしてみる――臓器移植の待機リストが示す制度設計の逆説
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: John Pavlus "When People Game the System, It Helps to Shake It Up" (Kellogg Insight, 2025年9月1日) 概要: 臓器移植の待機リストでは、医師が患者を救うために、集中治療など必要性の低い治療を行い、順位を上げる「システムの悪用」が起きてきた。これに対し、Schummerらは数理モデルを用いて、軽症患者にも一定割合の臓器をランダムに配分することで、医師の過剰治療のインセンティブを抑制し、全体の配分効率を向上させることができることを示した。一見逆説的だが、この方式により重症患者を含む全員の臓器受領確率が向上する。 善意の人ですら、ルールの隙をつくものです。命がかかっているなら、なおさらでしょう。臓器移植の待機リストでは、患者を救いたい医師たちが、必ずしも必要ではない集中治療を施して順位を上げようとしてきました。結果、本当に緊急度の高い患者が後回しになり、システム全体が詰まっていくことになります。...

Seo Seungchul
2025年11月8日読了時間: 13分


命を救うデザインのつくり方──医療機器と「最適性の翻訳」
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Rebecca Kirby et al. "How Durable Design Can Save Lives" (Kellogg Insight, 2025年9月1日) 概要: ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のKara Palamountain教授とRebecca Kirby教授が主導した研究プロジェクト。低・中所得国向けの新生児医療機器の設計指針として15種類の「目標製品プロファイル(Target Product Profiles: TPPs)」を開発。100名以上の臨床医、製造業者、NGO、技術機関などのステークホルダーと協働し、668項目の性能特性について97%の合意を形成。2020年に公開されて以来、7,000回以上閲覧され、38種類の医療機器開発に活用されている。 命を守る技術は、どこでも同じように機能するわけではありません。たとえばアフリカの病院に、最新の医療機器をそのまま持ち込んでも、停電が頻発する環境や砂埃の多い気候の中では、すぐに使い物にならなくなることがあります。

Seo Seungchul
2025年11月8日読了時間: 15分


他者と共に生きる──政治について議論をしても、人は変わらない
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Sarah Stein Lubranos "We need to stop talking about politics" (Institute of Art and Ideas, 2025年9月30日) 概要: 1952年から2017年までの世界31選挙における56のテレビ討論を分析した研究をもとに、政治的議論が人々の意見をほとんど変えないことを指摘。代わりに、人々の政治的信念を形成するのは行動と関係性であると論じ、社会インフラの再構築と真の対話の場の必要性を提唱する記事。 テレビの討論番組を見ていて、何かが変わったと感じたことはあるでしょうか?選挙の度に繰り返される党首討論で、自分の考えが揺らいだ経験は? もしかすると、それは当然のことかもしれません。世界中の選挙討論を分析した研究によれば、討論番組は人々の意見をほとんど変えないといいます。では、私たちの政治的信念を本当に変えるものは何なのでしょうか。 作家で研究者のサラ・ステイン・ルブラーノは、議論ではなく関係性と経験こそが鍵だと主張します

Seo Seungchul
2025年11月5日読了時間: 14分


データセンターの電力需要予測はなぜこんなに難しいのか──不確実性との向き合い方
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Ian Goldsmith et al. "Powering the US Data Center Boom: Why Forecasting Can Be So Tricky" (World Resources Institute, 2025年9月17日) 概要: アメリカにおけるデータセンターの急速な成長と、それに伴う電力需要の予測の難しさについて分析した記事。予測の幅が大きい理由として、投機的な接続申請、市場の不確実性、技術的な効率改善の可能性、モデリング手法の違いなどを挙げ、地域の政策立案者が取るべき対応策を提示している。 生成AIの登場とクラウドサービスの拡大によって、アメリカ各地にデータセンターが次々と建設されています。しかし、これらの施設が今後どれほどの電力を必要とするのか、その予測は専門家の間でも大きく揺れています。ある試算では2030年までに全米の電力消費の4.6パーセントと見積もられる一方、別の試算では9.1パーセントに達するとされ、その差は約1100万世帯分の電力消費に相当

Seo Seungchul
2025年11月5日読了時間: 18分


脳が世界を「発明」している?──意識と現実の関係を揺さぶる科学的発見
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Karl Friston "Reality is a creation of consciousness" (Institute of Art and Ideas, 2025年9月17日) 概要: 世界的神経科学者カール・フリストンへのインタビュー記事。意識は脳による予測の産物であり、私たちは自分の頭の中に閉じ込められているという彼の理論について詳しく語られている。自由エネルギー原理による物理学と心理学の統合、精神疾患の新しい理解なども論じられる。 私たちが見て、聞いて、触れている現実は、実は脳が作り出した「予測」だとしたら?世界で最も影響力のある神経科学者の一人、カール・フリストンが提唱する理論は、私たちの常識を根底から覆します。 私たちは普通、まず外界からの情報を受け取って、それを基に世界を理解していると思っています。しかしフリストンは真逆のプロセスを主張します。脳はまず世界についての予測を立て、その後で感覚情報と照合し、ズレがあれば修正していく—これが意識の正体だというのです。...

Seo Seungchul
2025年10月31日読了時間: 11分


政治システムを変えるのが、本当に答えなの?──ネパールの制度改革論争から見える民主主義の課題
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Ayusha Chalise " Nepal's democracy keeps doubting itself " "Designers join scientists to make living architecture a reality" (Nepal Times, 2025年9月28日) 概要: ネパールのZ世代による政府打倒後、首相の直接選挙制度導入を求める声が高まる中、その是非と民主主義への影響について論じた記事 Z世代の若者たちが汚職政治に怒り、街頭で声を上げました。そして今、ネパールで新たな議論が始まっています。首相を国民が直接選ぶべきか、それとも現在の議会制のままでよいのか。一見すると明快に思える制度変更の議論には、実は複雑な落とし穴が潜んでいます。 今回は、富良野とPhronaがこの問題の奥深さを探ります。政治制度の変更は本当に「答え」になるのでしょうか。それとも、問題の根っこはもっと別のところにあるのでしょうか。スリランカやアメリカの事例、そしてSNSが政治に与える影

Seo Seungchul
2025年10月31日読了時間: 9分


建物そのものが「生きて」いたら?──デザイナーと科学者が挑む未来の住まい
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Carolyn Beans "Designers join scientists to make living architecture a reality" (Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 2025年9月17日) 概要: 建築デザイナーと科学者の協働により実現する「生きた建築」の最新動向を紹介。酵母、菌糸体、DNA、細菌を建材に組み込む技術開発と、その美的・実用的可能性について報告している。 私たちの住む建物が、まるで植物のように呼吸し、汚れた空気を浄化し、ひび割れを自分で治すとしたら、どう感じるでしょうか。そんなSF映画のような世界が、実は今、現実のものになりつつあります。 コーネル大学の建築デザイナーが3Dプリンターで作る多孔質なセラミックタイルには、ホルムアルデヒドを吸収する酵母が住んでいます。イギリスの研究者たちは、キノコの菌糸体を編み物に組み込んで、まる

Seo Seungchul
2025年10月30日読了時間: 10分


隠れた高給職の世界──誰も教えてくれない年収1000万円超えの仕事たち
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Jack Kelly "Hidden High-Paying Jobs That People Don't Know About" (Forbes, 2025年4月27日) 概要: 一般的に知られていない高給職業を紹介。石油地質学者、クオンツ、声優、原子力発電所運転員、倫理的ハッカーなど、専門性が高く年収1000万円を超える職業の実態と、これらが隠れている理由を分析。 ソフトウェア開発者の年収約2000万円、投資銀行家の年収約1500万円。こうした数字は多くの人が知っています。でも、石油地質学者が年収1500万円から3000万円、クオンツが年収1500万円から5000万円、声優が年収800万円から4000万円を稼いでいることを知っている人はどれだけいるでしょうか。 私たちの周りには、名前すら聞いたことのない高給職が数多く存在しています。これらの仕事は高度に専門化されているか、特定の業界に閉じていることが多く、一般的な転職市場では見えにくい存在です。原子力発電所の運転員、倫理的ハッカー、最高コン

Seo Seungchul
2025年10月30日読了時間: 12分


音楽が脳を変える──音楽家は痛みを感じにくいという発見
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Vishwam Sankaran "Scientists surprised to find musicians don’t feel pain same way other people do" (The Independent, 2025年9月26日) 概要: デンマークのオーフス大学の研究チームが、音楽家は非音楽家と比べて痛みに対する脳の反応が異なることを発見。音楽訓練が痛みへの耐性を高める可能性を示唆 楽器を長年練習している人は、痛みを感じにくいかもしれません。そんな驚きの研究結果が、デンマークの研究チームから発表されました。 私たちは誰しも痛みを経験しますが、その感じ方には個人差があります。同じ怪我をしても、ある人はひどく苦しみ、別の人はさほど気にならない。これまでは体質や性格の違いだと考えられてきましたが、実は脳の構造そのものに違いがあるのかもしれません。 今回の研究では、音楽家19人と非音楽家20人に実際に手の痛みを誘発し、脳の反応を詳しく調べました。すると、音楽家の脳は痛みに対し

Seo Seungchul
2025年10月29日読了時間: 6分


実在論のパラドックス──物質主義に隠された科学の限界を探る
シリーズ: 知新察来 ◆今回のピックアップ記事: Àlex Gómez-Marín " Materialism is holding science back " (Institute of Art and Ideas, 2025年9月16日) 概要: 哲学者フィリップ・ゴフによる、物質主義が科学の進歩を阻害しているという主張を展開した記事。意識の問題、構造主義の限界、汎心論の可能性について論じている。 私たちは普段、科学と物質主義がセットで機能していると考えています。科学の進歩は物質的な現実を解明することで成り立っており、目に見える物質世界こそが真実だという前提に立っているのではないでしょうか。しかし、もしその前提自体が科学の発展を妨げているとしたら、どうでしょう。 今回ご紹介するのは、哲学者で作家のフィリップ・ゴフが提起した、物質主義と科学の関係性についての議論です。ゴフは意識の研究において「汎心論」という立場で知られており、意識は基本的な物理的性質だと主張しています。彼が投げかけるのは、私たちが当然視している科学観そのものへの根本的な問い

Seo Seungchul
2025年10月29日読了時間: 9分
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